- きょういくじん会議
学習指導要領の改訂で中学校数学科では統計や確率を指導する領域「資料の活用」が新設され、移行措置1年目の今年度から、さっそく指導が始まる。情報化社会の急速な進展に伴い、統計や確率に関する指導は日本のみならず世界的に重視されているが、インターネットを通じて、世界各国の生徒のデータが収集され、それらのデータを授業に活用できる双方向型の教育サイト「センサス@スクール」が注目を集めている。
参加、使用の双方向型教育サイト
「センサス@スクール」のプロジェクトは、2000年に英国王立統計学会統計教育センターによって始められた。現在は、日本統計学会統計教育委員会が主体となって取り組まれており、ニュージーランド(英語)やオーストラリア(英語)など、8つの国と地域が参加している。
「センサス@スクール」の目的の一つは、インターネットを通じた、学習に活用できる世界各国の生徒のリアルなデータの収集だ。生徒が、学年、性別から好きなスポーツ、環境問題に対する関心まで様々なアンケートに答えることによって、それらのデータが蓄積されていく。アンケートの中には個人が特定されるような項目はなく、無回答も可能と、個人情報の保護にも配慮されている。このようにしてサイトに蓄積されているデータの一部をランダムにダウンロードすることによって、教師は授業に活用することができる。
世界各国で開発された統計教材を紹介
「センサス@プロジェクト」のサイトでは、データの収集、提供だけでなく、それらのデータを活用して各国で開発された教材(教師の指導資料や生徒が使用するワークシートなど)も提供されている。
睡眠時間と携帯電話の利用状況の関係について考察する(ニュージーランド)という世界的に子どもとかかわりが大きいと考えられるテーマを扱ったものから、水資源管理の重要性を説明する(オーストラリア)といった地域ならではの課題を扱ったものまで、公開されている教材の種類は多様である。
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