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朗読ボクサーのパンチにあなたもノックアウト!? 詩のボクシング
kyoikujin
2009/11/13 掲載
詩のボクシング 声と言葉のスポーツ

 自分の体重をのせた拳を相手が倒れるまで放ち続ける競技、ボクシング。とても豪快なこの競技、歴史をさかのぼれば古代ギリシャにまでいきつくようです。現代では、拳を「ことば」に代え、観客に向かって自作の詩を朗読する「詩のボクシング」が行われています。21日には、地方大会を勝ち抜いたチャンピオン達が集まる全国大会が開催されます。これには古代ギリシャ人もビックリするのではないでしょうか。

 「詩のボクシング」は、映像作家・音声詩人の楠かつのりさんが1997年に「日本朗読ボクシング協会」を発足させたことから始まりました。基本的なルールは簡単。リング上に見立てたステージ上で、対戦者2人が互いに自作の詩を全身を使って朗読、どれだけ観客へ届いたかをジャッジ役が判定するというものです。協会発足翌年には、作家のねじめ正一さんや詩人の谷川俊太郎さんの対決も行われました。
 99年には一般参加の大会となり、01年からは、地方大会を勝ち抜いた出場者たちによる全国大会が開催されるようになりました。なかでも一番の見所は、大会決勝の2ラウンド目。即興詩での対決は、鑑賞する側にも緊張感と期待感が最高潮に達します。

「学校での取り組み」

 この「詩のボクシング」の取り組みは、教育現場でも取り入れられているようです。8日の朝日新聞の記事では、高校での模様や、朗読された詩などが紹介されています。
 つい朗読側につい注目がいきがちですが、ジャッジ役や観客は、朗読者の詩の内容はもちろん、声や動き、表情などを含めて聴き、さらに判定を下すなど「聴く力」を磨くことができます。さらに、身近な友人がこのようなかたちで詩を朗読、それを鑑賞するのであれば、友人の新たな一面に気付いたり、子どもたちも詩の捉え方にも変化が生まれるのではないでしょうか。

 今年9回目を数える全国大会は一般の方も鑑賞できます。21日、新宿の全労済ホールで開催。あなたも地方大会を勝ち抜いた朗読ボクサーのパンチを全身に浴びてみませんか?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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