きょういくじん会議
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レポートのコピペ、やりますか? やめますか?
kyoikujin oec
2009/12/16 掲載
ちょっと待って、そのコピペ!著作権侵害の罪と罰

 学期末を前にレポート提出の課題が増える季節になりましたが、当サイトの2008年6月2日の記事でご紹介した、レポートなどのコピー&ペースト(コピペ)状況をチェックするソフトを覚えていらっしゃいますでしょうか。11日のITmediaの記事などによると、このソフトがついに12月下旬より発売となるそうです。

チェックソフトとは

 このソフトは、テキストデータを読み込み、コピペの状況をネット上やデータベースの文書などと照合して検証できるというもの。文末表現を変えたり語句を言い換えたりといった修正がなされていても、ある程度コピペを検出可能だそうです。
 「コピペ論文」を探すサービスは英語圏が先行しています。その中での代表的なチェックソフトturnitinの紹介ページによると、ソフトの導入後、不適切な引用や剽窃が減少し、また、指導者と生徒の間で学問上の誠実さについて話し合い、適切な引用方法や文章表現を学ぶことができたということが報告されています。
 今回の日本語の「コピペ論文」チェッカーの登場により、日本の教育現場ではどのような影響が見られるのかが注目されます。

ネット上での文章たち

 インターネットの発達に伴い、ここ10年ほどでネット上の情報量は飛躍的に増加しました。その中には、今までに書籍として印刷されたものがテキストデータ化されたものも数多く含まれています。
 そのような書籍電子化の流れは、今年話題となったGoogleブック検索を筆頭に、国内外で進行しつつあります。
 国立情報学研究所の論文データベース「CiNii」には、テキスト化されネット上で見られる論文も多く登録されており、研究者の助けとなる反面、「コピペ論文」の対象となりかねません。

出題者の問題か、解答者の問題か

 いわゆる「コピペ論文」に対して、どう対応していくのか。「コピペで対応できる課題を出すべきではない」「コピペに頼ろうとしない気持ちを涵養することが大切」など、さまざまな意見がありますが、この問題は、IT技術の発達によって教育に新たな対応が求められている負の例の一つと言うことができそうです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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