きょういくじん会議
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何歳から「大人」? 「大人になる年齢」をめぐる意識と議論
kyoikujin
2010/1/15 掲載
未来の日本を創るのは君だ!

 1月11日は「成人の日」。今年も、20歳になる新成人を祝う行事やイベントが全国の各地で行われました。しかしそもそも、「大人になる」とは、どういうことなのでしょうか? そこで今回は、大人になる「年齢」にスポットをあててみました。

昔はずいぶん早くに「成人」迎えた!?

 成人を祝う儀礼のひとつとして、古くは「元服」があります。この元服、元を辿ると奈良時代から行われており、室町時代以降に民間に普及したそうです。しかし中世当時は、元服を迎える年齢には規定がなく、中には5、6歳かで元服を迎えた人もいたのだとか。現代とは寿命や社会環境が異なるとはいえ、ずいぶん早くから「大人になる」という意識付けがなされていたことがわかりますね。

「成人」の適正年齢は?

 オリコンが行ったアンケート調査によると、「何歳からが、責任のある”大人”だと思いますか?」という問いに対し、「18歳」と答えた人が最も多く、全体の36.0%を占めたそうです。高校を卒業し、就職・進学をするという人生の大きな転機を迎えることが、その理由として挙げられています。
 法律上は「20歳=大人」であるとはいえ、自活できるか?適正な判断力が持てているか?など、自分が「大人」であると自覚したり、実感したりする時期は、人それぞれかもしれません。

法制度で変わる「成人」の定義

 現在の民法では、「成年年齢=20歳」と定められていますが、法務省法制審議会の「民法成年年齢部会」において、成年年齢の引き下げについて議論が行われた結果、「民法の成年年齢の引き下げについての意見」として、「民法が定める成年年齢を18歳に引き下げるのが適当である。」との結論に至ったことが公表されました。
 ただ一方で、同部会が高校生に行ったヒアリングによると、多くの高校生が、「18歳で急に大人といわれても困る」といい、その理由として「社会のことをもっと学んだ上でないと成人という自覚は生じない」などを挙げたそうです。
 多くの人が高校を卒業するまで社会との接点をほとんど持たない昨今。成年年齢が18歳になるのであれば、「大人になるとはどういうことか」と考える機会を設けたり、「大人になること」についての意識付けを図ったりして、現在よりも早くから自覚を持たせる必要がありそうですね。

 皆さんも、この機会に「大人になるとはどういうことか」について、子供たちに問いかけてみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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