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今年注目! 科学界のキーワード「生物多様性」
kyoikujin
2010/1/22 掲載
いのちのつながり よく分かる生物多様性

 日本人女性2人目の宇宙飛行士、山崎直子さんが宇宙へ飛び立ったり、未知の粒子(ヒッグス粒子や超対称性粒子)の発見が期待される実験が行われたり、今年も科学界からたくさんの話題が提供されそうです。そのひとつ、2010年の科学界を語るキーワードとして「生物多様性」が注目されています。

「生物多様性」という概念

 「生物多様性」の定義にはさまざまなものがありますが、1992年に定められた生物多様性条約では、以下のように規定しています。

 「生物多様性」とは、すべての生物(陸上生態系、海洋その他の水界生態系、これらが複合した生態系その他生息又は生育の場のいかんを問わない。)の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む。

 「生物多様性」は、地球上に生物が誕生してからの約40億年の進化の結果であり、生物の種類は現在数百万種、数千万種にのぼるといわれています。生物は単独で生きることができるわけではなく、個々でつながって生態系をつくって存在しています。庭先の花とその受粉を担う虫―こんな身近な光景も生態系であり、「生物多様性」を見ることができるのです。

2010年は、国際生物多様性年

 今年は、国連が定めた国際生物多様性年で、10月には名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されます。この会議では、「2010年までに生物多様性の損失速度を著しく減少させる」とした世界共通目標の達成を評価することになっていますが、熱帯雨林の破壊が止まっていない、絶滅危惧種が増えているなどの現状では、事態が悪化していると言わざるを得ないようです。「生物の多様性の損失」は、すぐにではなくても、わたしたち人間の生活に影響を及ぼすことは間違いありません。食料としてだけでなく、鳥や魚の特徴が乗り物に生かされるなど、人間が文化を育む上でも「生物多様性」は重要なヒントを与えてくれてきました。それらの恵みを人間が受けられなくなるということは、とても深刻な問題です。

何か、はじめよう

 環境問題には興味があったけど、「生物多様性」という言葉を知らなかったという人は少なくないようです。環境gooの生物多様性特集には、「生物多様性」についてのいろいろなアプローチが紹介されています。ここで、「生物多様性」について認識することから始めてみてもよいかもしれません。国際生物多様性年であることをきっかけに、わたしたちができることを見つけて、行動をおこしてみてはどうでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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