- きょういくじん会議
![Health e=cigarette 煙のでる電子タバコ(たばこ味) 22483](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41Ta7eQD7%2BL._SL120_.jpg)
製薬会社ファイザーの調査によれば、20代の喫煙者1,000人を対象に調査を行ったところ、約半数の45.9%の喫煙者が高卒までに喫煙を経験していたことが分かった。タスポ導入や相次ぐ値上げなど、タバコに対する社会全体の意識が変わりつつあるが、未成年者の喫煙率を下げる効果につながっているのだろうか。
喫煙中高生の4割がタスポ利用でタバコ購入
以前の記事では、タスポの導入が未成年者の喫煙を防ぐ効果と、抜け道の危険性について触れていたが、実際にどの程度の効果があったのだろうか?
14日の読売新聞の報道では、厚生労働省研究班が行った中高生96,000人に対する大規模調査を紹介しており、そこでは、月1回以上喫煙する生徒の29%はタスポを使って購入したことがあると回答している。毎日喫煙する生徒では、タスポ使用率は42%にものぼる。入手方法は「家のカードを持ち出した」15%、「家族から借りた」22%、「自分で手続きした」7.9%など。自動販売機での未成年のタバコ購入を制限するタスポだが、未成年喫煙者は抜け道から購入を行っているという実態が見受けられる。
一方、月1回以上喫煙する生徒のうち61%がたばこが買いにくくなったと答えていることから、一定の効果を上げていることも推測できる。
喫煙率自体に関しては、月に1回以上喫煙する生徒は、中学生男子2.9%、同女子2.0%、高校生男子9.8%、同女子4.5%だったという。96年時の調査結果と比べると3分の1程度になっている。
タバコの値上げで未成年はタバコを止める?
本年10月からタバコ税が増税され1箱400円以上に価格が上がることで、未成年の喫煙抑止につながるのでは、という声も聞かれる。
2007年度に、約90,000名の中高生を対象として実施した全国調査についてまとめた「中高生がタバコを吸わないようなタバコ価格とは」(社団法人中央調査社)によれば、タバコ価格が600円になった場合、「止める」と回答したのは男子喫煙者は27.4%、女子喫煙者は20.8%であった。1,000円になると、男子44.6%、女子37.3%がタバコを止めると回答したそうだ。
成人に対する調査では、550−700円で5割の喫煙者が禁煙に踏み切るという結果が出ているので、中高生の方が喫煙をあきらめ難い可能性もある。上記の調査では、中高生がタバコを吸わなくなるためには、少なくとも1,000円程度に価格を設定する必要があると結論づけている。
タスポ導入や増税などの施策が、未成年の喫煙率を下げることに一定の効果を果たす可能性があることはうかがえるが、まだまだ子どもたちの喫煙を完全に防ぐのは難しいようだ。
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