きょういくじん会議
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転んでも痛くない? 校庭の芝生化でスポーツの発展を!
kyoikujin
2010/2/24 掲載
校庭芝生化のすすめ―子供たちの笑顔や元気な声が絶えない緑のグラウンドづくり (コミュニティ・ブックス)

 15日の朝日新聞の記事によると、大阪府の橋下知事が府内の小学校の芝生化に協力して約4843万円を寄付したアサヒビールに対して感謝状を贈ったとのこと。小学校の校庭の芝生化は橋本知事の公約で,現在、小学校約1000校中の58校を芝生化したようですが、知事は残りの任期2年で、あと140校の整備を目指す考えを明らかにしたようです。学生時代にラグビーをしていた橋下知事は、以前ラグビーのトップリーグの試合会場で芝生化への寄付を呼びかけたこともありましたが、2019年に日本で開催されるラグビーのワールドカップに、この小学校の芝生で遊んだ選手が出場するかもしれませんね。

 大阪府だけでなく、校庭の芝生化の取り組みは全国で広まっていますが、東京都でも、地域のコミュニティー形成やヒートアイランド対策などを目的として、校庭の芝生化を進めています。東京都では「東京芝生応援団」の結成などを通じて、学校と地域が協力して芝生の維持管理を行う仕組みを作るなど、校庭の芝生化に取り組みやすい体制も整えているようです。また、平成20年度からは、これまでの公立小中学校、都立学校だけでなく、幼稚園及び保育所の芝生化も開始しています。
 15日の読売新聞の記事によると、武蔵村山市は都の制度を利用して、市内の小・中学校全校の校庭の芝生化を決定したようです。全小中学校の芝生化を実現した例は,都内の区市ではまだないようで、このような取り組みが他の区市にも広がれば良いですね。さらに、東京都では校庭を芝生化することの良さを知ってもらおうと1、2週間程度、無料で芝生を貸し出す取り組みも行っており、芝生の良さを知ってもらい、学校や地域の理解を得るための努力をしているようです。

  文部科学省の資料によると、平成9年から平成20年までの12年間でおよそ400校が校庭を芝付化しており、21年も多くの学校が芝生化を行ったようですが、全国の学校数から見ると、まだまだ、割合が少なく全国的に普及しているとはいえません。地域によっては、水遣りや芝刈りなどの維持管理の費用がネックとなって、芝生化の募集をかけても参加する学校が集まらなかったりするようです。年に1、2ヶ月ほどの勢力回復期が必要なことも校庭の芝生化を躊躇する原因かもしれません。しかし、校庭を芝生化することによって、砂地のときに比べて8度ほども気温が低くなる、という調査結果もあり、ヒートアイランド対策や町の緑化、スポーツの発展にも効果があると認められているのも事実です。自分の町の学校が芝生化を進めるときには維持管理にも進んで協力するようにして、1校でも校庭が芝生の学校が増えると良いですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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