きょういくじん会議
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英語で伝える日本の文化―今日はひな祭り
kyoikujin
2010/3/3 掲載
なぜ、おひなさまをかざるの? (なぜ?どうして?たのしい行事 (ひなまつり))

 最近、書店の語学コーナーでは日本の文化を英語で紹介するという内容の本をよく見かけます。皆さんは、それらの本を手に取ったことはありますか。

 さて、本日3月3日は女の子の健やかな成長を願うひな祭りの日です。日本の代表的な行事の一つである、ひな祭りですが、もし外国人に「ひな祭りとは何ですか。」と尋ねられたら、どのように表現しますか。

 まず、「ひな祭り」という日本語を、どう英語で表現するのか考えてみましょう。
 次の3つの選択肢の中に、皆さんが思いついた表現はありますか。

  1. the Girl's event
  2. the Peach festival
  3. the Doll festival

 答え合わせの前に、ひな祭りに関する記事をひとつ紹介したいと思います。
 2月21日の時事通信社の記事によると、カルピスがおこなった、父親を好きかどうかという調査結果とひな祭りに祝い方に関係があるのだそうです。その問いに、「好き」あるいは「どちらかといえば好き」と答えた割合は、ひな祭りを祝ってもらっている女児が85.1%であり、祝ってもらっていない女児が55.1%でした。記事の締めくくりは「ひな祭りのような節目の行事を大切にし、一緒にお祝いする姿を見せることで、子どもに愛情が伝わるからではないか」という分析になっています。

 ひな祭りを祝ってもらうかどうかで、こんなにも結果に大きく差が出るとは意外でした。女の子のいるご家庭では、ぜひお祝いしてあげて欲しいと思います。キッコーマンのホームページでは、定番のちらし寿司や、かわいらしい手まり寿司などのひな祭りレシピを公開しています。まだ献立の決まっていない方も、このようなレシピを参考にしつつ、お子さんへお祝いの気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

 さて、冒頭で触れた、英語で伝えるひな祭りの話に戻りましょう。
 皆さんが外国人に「ひな祭りとは何ですか」と尋ねられたという場面を想像してみてください。まずは、日本語でも英語でも良いので、どのように紹介するか考えてみましょう。すらすらと思い浮かびますか。
 実業之日本社から出ている「英語対訳で読む日本のしきたり」という本では、中学校レベルの英語で、日本のしきたりを紹介しています。以下のように、ひな祭りをテーマごとに英語で表現しています。

 March 3 is called the Peach sekku, or the Doll festival, when people pray for the healthy growth and happy future of girls.
 3月3日は「桃の節句」、「ひな祭り」と呼ばれ、女の子の健やかな成長と将来の幸せを祈る日です。

 上の文によると、「桃の節句」はthe Peach sekku、「ひな祭り」はthe Doll festivalと訳しています。先に挙げた選択肢の3に該当しますね。これらは、日本由来の言葉なので、訳し方は様々あるかと思います。ぜひ、お手持ちの辞書などで調べてみてください。
 また、英文に着目すると「祈る」はpray、「健やかな」はhealthy、「将来」はfutureという英単語であらわします。中学校などで習った英単語を懐かしく感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。難しい単語や文型を使わなくても表現することができます。

 そして、同書では平安時代に遡って、ひな祭りの起源にも触れています。

 In the Heian period, there was a custom of giving people's own uncleanness to paper dolls, or hito-gata, and floating them down the river on March 3.
 平安時代には3月3日に、人形(ひとがた)にけがれを移し、川に流す習慣がありました。

 まず、上の英文の単語を紹介します。「習慣」はcustom、「けがれ」はuncleanness、「川」はriverと訳されます。
 日本人は、ひな祭りやひな人形には親しみがあると思いますが、ひな祭りの起源が平安時代の習慣であったという説などを知っている人は少ないのではないでしょうか。

 ひな祭りに限りませんが、日本の文化や行事について、知っている英語を繋ぎ合わせて表現すると、英語に対しても、日本の文化に対しても新たな発見があると思います。また、英語を学んでいるお子さんたちと一緒に英語表現を考えてみると、英語と生活が結びつき、学ぶ意欲を高められるかもしれません。ご家庭でも授業でも、ペアで日本人役と外国人役に分かれてロールプレイをしてみても良いと思います。女の子のいないご家庭でしたら、5月5日の端午の節句について考えてみても良いですね。
 地域やご家庭によって祝い方は異なると思いますが、日本の伝統を感じながら、楽しいひな祭りお過ごしください。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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