きょういくじん会議
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日本は「はしか輸出国」―予防接種で「排除」を目指す
kyoikujin
2010/3/9 掲載
麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか

 7日の時事通信のニュースによると、麻しん(はしか)のワクチン接種率が伸び悩んでいるそうです。他の先進国では「排除」(流行のない状態)できていますが、日本ではもともと接種率が低く、「排除」できていません。近年、大学生の間にも流行し、休講となった大学があったことも記憶に新しいですよね。国立感染症研究所の担当者は「現場が新型インフル対策に追われた影響があるのでは」と話しているそうです。

 はしかの症状としては、まず38度前後の熱や咳などの症状で発症し、発疹が出ます。発疹は耳の後ろ、首から出始め、2日後には全身に広がります。発疹が全身に広がるまで、高熱(39.5℃以上)が続きます。回復後もしばらくは他の感染症に罹りやすく、また体力等が戻って来るには一ヶ月程度かかることが珍しくありません。回復までには時間のかかる重症の病気です。
 感染経路としは、空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染や接触感染など様々あり、感染力はきわめて強いそうです。はしかの免疫がない集団に1人の発病者がいたとすると、12〜14人の人が感染するとされています。インフルエンザでは1〜2人とされているのに比べても、感染力が強いことがわかります。
 マスクをしていても予防することが難しく、予防接種が一番の予防法です。

 予防接種は現在、1歳時と小学校入学前、中学1年、高校3年が定期接種の時期とされています。
 中高生から大学生も含めた、10代から20代の人に流行したのは、今まで一度も予防接種を受けていない人がいること、一度は受けていてもその際に充分な免疫がつかなかった人がいること、さらに、はしかウイルスにさらされる機会が減ったことで、幼少時にワクチンを接種しても免疫が強化されず、時間の経過とともに免疫が弱まってきている人がいることも原因と考えられています。
 そのため、中学1年、高校3年の時期にも定期接種を促すようになりました。中高生は近年患者数が増えており、学校で接種を呼びかけているところもあります。接種の推奨期間としては、新学期が始まってすぐの、4月〜6月とされています。

 今年に入ってからの感染者は、神奈川県、千葉県、東京都で多くなっています。首都圏は人の移動も多いので、特に注意が必要そうです。

 はしかは大人になってから感染すると重症化するともいわれており、大人も予防接種を受けていない、過去にかかったことがないという場合は、注意が必要です。国立感染症研究所の「学校におけるガイドライン」(PDF)には、職員のためのページもあり、子どもとともに大人の対策も呼びかけています。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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