- きょういくじん会議
3月9日の読売新聞に、「アーティスト・イン・児童館」というプロジェクトが紹介されていました。アーティストを一定期間児童館に招き、作品制作の作業場としてもらうことで、子どもたちとアーティストとの交流を生み出すというものでしたが、この「アーティスト・イン児童館」という活動は、「東京文化発信プロジェクト」の1つだそうです。今回はその「東京文化発信プロジェクト」について調べてみました。
「東京文化発信プロジェクト」とは、
東京ならではの芸術文化の創造・発信と、芸術文化を通じた子供たちの育成を目的として、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体、アートNPO等と協力して実施しているプロジェクト
だそうです。(「東京文化発信プロジェクト」ホームページより引用)。
もともと少ない日本の文化予算が、事業仕分けによりさらに削減されてしまったようですが、東京都の推進するこのプロジェクトにはなかなか興味深いものがあります。子どもに関連したものでは次のような活動があります。
◎「キッズ伝統芸能体験」
「キッズ伝統芸能体験」は、子どもたちが半年間、プロの伝統芸能家に稽古してもらい、最後には発表会を目指すというものです。能楽や日本舞踊、筝曲、長唄と、子どもたちが普段触れることのない日本の伝統文化を体験することのできる貴重な機会となりそう。
このプロジェクトのすごいところは何から何まで本格!なところです。先生たちもその道の超一流の方々ですし、発表会の舞台は、本物の能楽堂や国立劇場だそう。こんな体験、子どもに限らず、なかなかできるものではありませんよね。子どもたちがちょっぴりうらやましくなってしまうようなプログラムです。
◎ミュージック&リズムスTOKYO KIDS
「ミュージック&リズムスTOKYO KIDS」は豊かな自然と触れ合いながら、音楽をつくりだすことの楽しさを学ぶというプロジェクトです。子どもたちはまず、自然のなかを散策し、そこで見つけた竹や石などの自然素材を使って楽器をつくります。そしてその手作り楽器を使ってゲスト講師のミュージシャンと曲をつくり、最終的には演奏会を行います。自然を感じながら、音楽を生み出す。今の子どもちには外遊びや運動が苦手な子が多いと言われていますが、こんな体験をしたら、心も体も元気になってしまいそうですね。
他にも、以前きょういくじん会議でも少し取り上げた「パフォーマンスキッズ・トーキョー」や「東京発・伝統WA感動」などのプロジェクトがあるようです。
子どもたちにとって文化に触れることは、普段とは違った価値観や考え方に出会うチャンスとなります。自治体が中心となって、そのチャンスをつくってくれるというのはなかなかありがたいことかもしれませんね。
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