きょういくじん会議
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いつでもお花見が可能!? 新しい桜の出現
kyoikujin
2010/4/6 掲載
サクラハンドブック

 早いもので4月も始まって一週間となりました。
 この時期といえば、新学期、新生活にあわせて桜の時期ですね。お花見にもう行かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 さてこの桜、春に咲き、そして散っていく。それが当たり前なのですが、最近いつでも花をつけることができる新種の桜が登場したことを皆さんはご存知ですか?

四季咲きの桜『仁科乙女』

 理研ニュース3月号で紹介された記事によると、この桜『仁科乙女』は野外では春と秋に花を咲かせ、温室では一年中花をつけることが可能なのだそうです。さらに花数ももとになった桜の品種よりも3倍ほど多く花を咲かせることができます。四季を通してたのしめ、さらに花数も多いとは、なかなかすごい桜ですね。
 でも、この桜、いったいどのようにして作られたのでしょうか?

新しく作り出された桜

 ふつう、新種の植物が「作られた」と聞くと、交配を繰り返すことによっての新種誕生を思い浮かべる方が多いかと思いますが、この桜は昔からの方法とは一味違った、ぐっと近代的な方法で作られました。
 どういうことかというと、この桜は人為的に突然変異を起して作られたものなのです。重イオンビームというものを桜に当てることによって桜の遺伝子の一部を壊し、それによって突然変異を誘発する。ちょっとSF的な開発方法に感じられますが、約10年前の2001年にはすでにバーベナの品種改良で使われた手法なのです。

緑の桜,黄色い桜

 他にも理化学研究所では、緑がかった花びらをもつ『御衣黄』という桜から、黄色い花びらの『仁科蔵王』という桜を作り出すことにも成功しています。
 ちなみにこの黄色い桜は2008年に埼玉県の和光市に植樹されており、お近くの方は花が咲いている様子をみることができるかもしれませんね。

不可能の代名詞 青いバラ、花びらの多いシクラメン

 桜だけではなく、最新科学技術を使った植物の開発の例は他にもあります。
 例えば、サントリーフラワーズから販売されている青いバラ。バラはもともと青い色素をもっておらず、交配だけでは青いバラを作り出すことができません。それゆえ「不可能の代名詞」とさえいわれていました。
 しかし、他の花の青色遺伝子を取り出し、バラにその遺伝子を導入するという遺伝子組み換え方式で、とうとう青いバラを誕生させました。

 同様に時事通信の3月16日の記事 には、遺伝子を操作することで、何枚も花びらをもつシクラメンが開発されたと紹介されています。
 ふつうシクラメンは5枚の花びらをもって咲きますが、この開発されたシクラメンはまるで花びらが重なった小さな蓮のようです。

新しいものを作り出す技術

 以上、科学技術の向上で新たに登場した花々を紹介しました。
 科学技術の進歩には驚かされるばかりです。これまで絵本でしか見たことのなかったものが、これからどんどん実現していきそうですね。次は、虹色の花が登場するかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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