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恋の矢は直接さす! ボルネオ島で120種も新種発見!
kyoikujin
2010/5/18 掲載

現在、地球上にはどのくらいの生物がいると思いますか?

ボルネオ ネイチャーアイランド (地球の歩き方 GEM STONE 24)

 実は現在地球上にいる生物は、確認されているだけでもおおよそ175万種もいるのです。しかし、まだ発見されていない生物も数多くいると考えられ、それらを含めた地球上の総種数は大体500万〜3,000万種と考えられているようです。あまりにも多い数なのでいまいち実感がわかない方も(私をふくめ)いらっしゃるのではないでしょうか。
 ですが最近、東南アジアのボルネオ島で2007年以降に未発見の生物120種が発見されたという報告がありました。

「恋の矢」 を持つナメクジ、肺のないカエル

 6日に毎日新聞に掲載された記事によると、植物67種、無脊椎動物29種、魚類17種、カエル5種、ヘビ3種、トカゲ2種の新種がボルネオ島で発見されたそうです。
 発見されたもののうち、珍しいものを2、3種を紹介しますと、例えばミドリ色をした尾の長いナメクジは、「恋矢(れんし)」と呼ばれる突起物を相手に直接さし交尾をします(タイトルにあげたのはこのナメクジで、その姿から別名「忍者ナメクジ」とも呼ばれています)。他にも肺のないカエルや、体調が56pもあるナナフシなどが発見されました。

ハート・オブ・ボルネオ

 これらの生物はいずれも「ハート・オブ・ボルネオ」と名づけられた地域から発見されました。「ハート・オブ・ボルネオ」はマレーシア、インドネシア、ブルネイにまたがった熱帯雨林の地域であり、2006年にもカメレオンのように体の色を変化させるヘビが発見されるなど、新種が数多く発見される場所でもあります。
 ハート・オブ・ボルネオで発見された新種の数を月平均で表すと、なんと1ヶ月に3種類も発見される計算になるそうですよ。

新種の発見

 以上にあげた報告は、世界自然保護基金(WWF) からなされたものです。WWFは世界の自然を守るため、「地球の温暖化を防ぐ」「汚染を防ぎ資源を守る」「野生生物を守る」「森や海を守る」の4つを中心に活動を行っています。世界の新種発見・その保護も「野生生物を守る」活動のうちの1つです。
 新種発見には、単に新しい生物の発見ばかりではなく、生物の進化をひも解く鍵となるときもあります。ですが、森林破壊や温暖化の影響で新種生物のすみかが減少してしまったり、また人が多く介入したことで環境が変化してしまったりなど、発見されたと同時に絶滅危惧種の認定をうける新種も少なくありません。
 発見された新種に生物の不思議を感じるのはいいことですが、それとともに彼らが暮らしている環境にまで想いをはせられるようになるともっと素敵ですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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