きょういくじん会議
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読書活動推進の担い手は、「子ども司書」!?
kyoikujin
2010/4/8 掲載
司書・司書教諭になるには (なるにはBOOKS)

 3月18日の下野新聞の記事によると、栃木県小山市の中央図書館で5月から「子ども司書」養成セミナーを開始する、とのこと。「子ども司書」養成の試みは、各地の自治体や図書館で広がりをみせているようです。新学習指導要領に謳われる「読書活動の充実」、その担い手となるのは、子どもたち自身なのかもしれません。

はじまりは、「もったいない図書館」

 読書のおもしろさを学校や家庭に広めるリーダー役として活躍を期待される「子ども司書」。その養成の取り組みは、全国から寄贈された本で運営する図書館として有名な「矢祭もったいない図書館」(福島県矢祭町)から始まりました。昨年6月、こども読書の街づくり事業の一環として、司書業務に関心のある児童を対象に講座を開講、今年2月には、講座を受講した町内の小学4〜6年の児童14名を全国初の「矢祭子ども司書」に認定しています。認定された「子ども司書」は、「もったいない図書館」で、読み聞かせや本の整理など運営サポーターとして活躍中です。
 同じように、「子ども司書」養成に取り組む高知県教育委員会が、目標の一つとして掲げるのは、子ども司書120人(県内各中学校に1人)以上の養成。目標達成のため、講座はもちろん、自発的な読書の動機付けのために、「読書楽力検定」なる独自の取り組みも実施しています。

「子ども司書」候補生は、たくさん

 平成21年度全国学力・学習状況調査では、対象となった児童(小学6年)の多くが読書好きだという結果が出ています。「読書は好きですか?」という問いに、「好き」もしくは「どちらかといえば好き」と回答した児童は、約7割以上。「子ども司書」候補生は、たくさんいるのです。読書好きな子どもはさらに知識を深めて「子ども司書」になる、「子ども司書」に薦められた本を読んだ子どもが読書好きになる、そんな読書活動の輪が各地でできるかもしれません。
 今年は、国民読書年。そして4月23日は子ども読書の日。読書好きな子どもたちの活躍を期待したいと思います。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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