きょういくじん会議
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今までありそうでなかった新しい筆―「ゆび筆」に注目
kyoikujin #93
2010/4/5 掲載
墨運堂 墨液 墨筆 中字 22706

 誰もが思わずやってしまうことって、あります。例えばこちら。

@結露したガラスに指でお絵かき
Aとんがりコーンを指にはめる

 この、大人になってもなぜか楽しい二つの行動を、見事に融合させてくれた文具が登場しました。

 本日5日より全国で発売される「ゆび筆」は、奈良にある老舗の書道用品メーカーが開発した新しい文具です。その名のとおり、指先にはめて字を書いたり絵を描いたりすることができ、筆は持つもの、という概念をくつがえしてくれる画期的な製品なのです。トウモロコシに似ていることからついた愛称は「ポップコーン」。…もう既にはめたくなった人、いますよね?

 指で何かを書く(描く)という行為は、考えてみると意外にあるものです。冒頭の結露したガラスはもちろん、誰かに漢字を教える時は空中に書いたりしますし、緊張したら手のひらに「人」と書きます。それから砂浜に絵を描いたり、背中に字を書いて当てっこしたり、コップの水でテーブルに絵を描いたり。でも実際にその文字や絵を、消さずに残しておくことのできるものが今までにあったでしょうか?(血文字、なんてのもありますが、それは例外ということで…)

 ゆび筆がまだ試作品だった頃、学校や高齢者施設で使ってもらったことがあるそうです。すると、手が不自由で筆を握れなかった子どもが夢中で絵を描き、字を書くことを忘れていたお年寄りが名前を書くようになるなど、さまざまな効果が見られたそうです。
 更には新進気鋭の書道家たちにも注目されており、指先に何本もつけたゆび筆で、彼らは見たことのないアートを描き出すのだとか。

 指先から生み出されるのは自由な発想と表現力。この新しい文具の可能性は、まだまだ芽を出したばかりです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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