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オリンピズムを学べ―2010年、もうひとつの五輪
kyoikujin
2010/4/27 掲載
オリンピック 栄光の軌跡

 フィギュアをはじめ、今年も大きな盛り上がりを見せた冬季オリンピック。今から、次のロンドンで開催される2012年の夏季オリンピックが待ち遠しい、という方も多いのでは? しかし実は、今年はまだ2つ目のオリンピックが控えている、ということは意外と知られていないようです。

ユース・オリンピック

 もうひとつのオリンピックとは、今年初めての開催となるユース・オリンピックのこと。これは14歳から18歳までのいわゆるユース世代で行われるオリンピックで、通常のオリンピック同様、2年ごとに夏季と冬季が行われることになっています。規模は通常のオリンピックよりも小さめ。記念すべき第一回の開催地はシンガポールで、8月に開催されます。2008年2月に開催地の選定が行われ、決定のときの様子が、08年2月27日付のシンガポール経済新聞でも伝えられています。IOC(国際オリンピック委員会)の現会長であるジャック・ロゲ会長の提案で創設されたもので、競い合うことだけではなく、若い世代にオリンピズムを学んでもらうことに重きを置いています。

オリンピズムとは

 JOC(日本オリンピック委員会)のホームページに掲載されているオリンピック憲章によると、オリンピズムとは、

オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すことである。

とあります。少し難しい言い回しですが、心身ともに素晴らしい人物を育てていくこと、といったところでしょうか。世界的にスポーツをしない若者が増えていることや、スポーツが営利主義的になってきていること、後を絶たないドーピングの問題など、現在のスポーツは様々な問題を抱えています。若いうちからオリンピズムという高いモラルを育むことが、諸問題に対する解決策になるというのが、ロゲ会長たちの考えのようです。

あなたもユース・オリンピックの一員に?

 在シンガポール日本国大使館のホームページでは現在、この記念すべき第一回のユース五輪を手伝うスタッフを募集しています。英語が堪能であることが条件など、誰でも気軽に、というわけにはいかなそうですが、世界中の若きトップアスリート達や、世界中から集まるボランティアの人たちと交流する絶好の機会。特に興味と時間がある学生の方には、ぜひチャレンジしていただきたいところです。

 他の国際大会や国内での大会との日程の調整が難しいことや、運用面でのコストなど、初めての試みだけにまだまだ課題も多いユース・オリンピック。それでも今年の8月には、若き選手たちの活躍を楽しみたいところです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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