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岡山発・「特別支援教育」の視点を取り入れた授業づくりとは
kyoikujin
2010/4/28 掲載
通常学級の授業ユニバーサルザデイン―「特別」ではない支援教育のために

 岡山県教育委員会が作成した、“通常の学級における”「特別支援教育」の視点を取り入れた授業づくり(パンフレット)が、1日に公開された。
 このパンフレットは県内の小・中学校の全ての教師に配布され、指導主事を集めた研修会でワークショップも開かれた。

 本パンフレットは、通常の学級の先生が「特別支援教育」の視点を取り入れて授業づくりを行う際に役立つことを目的に

  • 「特別支援教育」の視点を振り返るチェックリスト
  • 視点を具体化するアイディア例
  • 校内でアイディアを共有するための研修例

で構成されている。

 本パンフレットは、「特別な支援を必要とする子どもだけでなくすべての子どもに対して行いたいこと」と「特別な支援を必要とする子どもに対して行いたいこと」という2つの想定で構成されている。
 そして、前者であれば「教室前方の掲示は不必要な刺激を視野に入れないように最小限にする」、後者であれば「板書を書き写したりメモをするのが難しかったりする子どもには何箇所かを空欄にするなどした個に応じたワークシートを用意する」といったアイディアが用意されている。
 前者の視点が新しい。
 特別支援教育が本格実施されて数年。このパンフレットからは、通常の学級に根ざしはじめた特別支援教育は、特別な支援を必要とする子どものものだけではなくなったことが読み取れる。教室環境の整備、授業中の指示の出し方、グループ活動の進め方、指導者間の連携等に、耳からの情報が入りにくい子どもへの視覚支援、注意がそれやすい子どもへの短い発問・指示の確認といった特別支援の視点を用いることで、他のどの子どもにもわかりやすくなる。

 パンフレット作成に関わられた岡山県教育庁特別支援教育課・青山新吾先生は、

 このパンフレットは、特別支援教育担当者だけではなく、教育庁指導課や総合教育センター、市町村教育委員会の指導主事の先生方と協議を重ねて作成したもので、実際の小・中学校の通常の学級の現場を知っている方々と協力して作成した。

と話す。
 特別な支援を必要とする子どもへの支援・指導の方法、考え方を通常の学級の授業づくりに活かすことですべての子どもたちに対しての効果が期待されているのだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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