きょういくじん会議
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家族と読めばもっと楽しい! 家読(うちどく)の広がり
kyoikujin
2010/5/27 掲載
家読で楽しむ学習クイズ&なぞなぞ86―親子でパワーアップ版

 10日の読売新聞記事では、岩手県雫石町の親子で読書感想文を書く取り組みが紹介されています。毎年夏休みに「わが家のオススメの1冊」を選んで子どもと保護者で本を読み、学校に感想文を提出するというもの。小学生の読書時間の増加に一役買い、保護者からも好評だそうです。
 この取り組み「家読(うちどく)」の一環。全国で広がりつつある家読の取り組みについて、ご紹介いたします。

 家読とは、家族で読書をしよう、という運動。家族みんなで同じ本を読んで感じたことを語り合うなど、読書をきっかけにコミュニケーションし、読書に親しみ、家族の絆も深める…そんなことを目的としています。全国の地方自治体や学校、トーハンなどが進めている読書運動です。
 トーハンでは、学校での「朝の読書」で子どもたちに身に付けた読書の習慣を家庭に広げようと、2006年12月に家庭での読書「うちどく(家読)」の推進をスタートしたとしています。

「読書のまち」宣言―茨城県大子町
 家読発祥の地とされる茨城県大子町は、平成19年に「読書のまち」を宣言。小学校6年生が開いた「子ども会議」から家読という言葉が生まれました。
 「読書のまち」の取り組みとして、幼児には健康相談・健康診査の際に、絵本をプレゼントしたり、幼稚園や保育所で読み聞かせをし、読書は楽しいという意識を確立させたり、小学校・中学校ではあさどく(朝読)を行ったりしていました。その中の一つとして、家庭において家族ぐるみで読書をしようと、だいご小学校が全国の先陣を切って「うちどく」を開始したそうです。子どもたちの読書時間とともに、図書館での本の貸し出し数が大幅に増えています。

毎月23日は「うちどく(家読)の日」―鹿児島県垂水市立協和小学校
 鹿児島県の垂水市立協和小学校では毎月23日を「うちどく(家読)の日」と設定しています。家族で同じ本を読み、うちどく(家読)記録カードに保護者とともに感想を書いてもらう取り組みを行っています。読書の時間は,目安として20分を提示し、うちどく(家読)の日は,学校から宿題を出さずに,本を読める時間を確保できるようにしています。

PTA活動で推進―岐阜県御嵩町立伏見小学校
 岐阜県にある御嵩町立伏見小学校ではPTA活動で「うちどく」を積極推進。「家読講演会」や「お父さんの読み聞かせ」「読書に親しむ会」などを開催、親子奉仕活動として図書館整備も行っています。夏休み・冬休みを利用して「うちどく」を行う家庭が増え、読書量とともに、本を通じた家族のコミュニケーションが増えるといった成果を挙げています。

 いくら親が、読書はいいからと子どもに勧めても、親が読んでいる姿を子どもに見せなければ、子どもも本を読むようにはなりませんよね。子どもを読書好きにするためにも、子どもとともに、大人ももっと家で本を読みましょう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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