きょういくじん会議
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体育会系だけじゃない! 学問系オリンピック
kyoikujin
2010/7/30 掲載
オリンピック問題で学ぶ世界水準の物理入門

  「オリンピック」というと、世界の人々が国・地域を代表してさまざまな種目でその身体的能力を競い合い、メダルを目指す! というまさに体育会系のイメージをみなさんお持ちになるかと思います。
 しかし、紙とペン(と一部パソコン)だけで戦う、しかも高校生のためのオリンピックがあることもみなさんはご存知でしょうか?

国際化学オリンピックで金

 27日の毎日新聞で紹介されているので、すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、第42回国際化学オリンピックで日本代表の4人がそれぞれ金メダル2個、銀メダル2個を獲得しました。出場者全員が受賞というだけでも驚きなのですが、実はこのオリンピックでは、7年連続で日本の代表者全員が受賞しています。これはとてもすごいことですね!

国際科学オリンピック

 化学のほかにも、数学物理地学生物学情報などがあり、これらを合わせて「国際科学オリンピック」と呼ぶそうです。実は天文学の分野もあるのですが、日本ではまだ参加していないとか。いつかこの分野でもメダルを取れるようになるといいですね。
 なお、国際科学オリンピックのシンポジウムが8月18日(水)に東京大学で行われます。中高生から教育関係者を対象にしたものらしく、興味のある方はぜひのぞいてみてはいかがでしょうか?

他にもこんなオリンピックが・・・

 「理系ばかりで文系の教科にはオリンピックがないのか!?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
 そこでさっそく調べてみますと、文系教科には「国際地理オリンピック」、「国際言語学オリンピック」、「国際哲学オリンピック」というのがありました! 残念ながらその他は見つけることができなかったのですが、これらのオリンピックの内容もかなり興味深いものです。せっかくなので、ここで哲学オリンピックの問題をみてみましょう。

■国際哲学オリンピック(第17回国内予選過去問より)
 次に挙げる@〜Cの命題のうち一つをとりあげ、それについてあなたの考え方を論理的に展開するエッセイを日本語ないし英語で書いてください。A4用紙で3〜5枚程度の長さとします(ワープロ使用を推奨します)。日本語の場合、4000字〜5000字でまとめてください。

C Does science need philosophy?
 科学は哲学を必要とするか。

(2004年IPO韓国大会の課題)

 うーん。なかなか難しそうですね。
 ちなみに国際哲学オリンピックの本選では、英語、ドイツ語、フランス語のいずれかを使用し、命題に対してのエッセイを4時間で書くのが試験となっています。外国語の長文を書くだけでも骨が折れそうですね。
 これら3つのオリンピックは、まだまだ国際科学オリンピックほどの認知度はありませんが、今後活躍する中高生が出てくるのが楽しみです。

オリンピックはみんなのもの

 以上、学問系オリンピックの紹介をしてまいりました。肉体派のオリンピックとはかなり様相を異にしますが、「好きこそ物の上手なれ」。ちょっと体育が苦手な子もオリンピックで金メダルがとれるかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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