- きょういくじん会議
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7月10日には、ピクサーが製作したディズニー映画「トイ・ストーリー3」が日本で公開されます。おなじみのウッディやバズなど、おもちゃのキャラクターが登場しますが、前作までとはストーリーが大きく異なるようです。というのも、彼らの持ち主アンディが17歳に成長し、おもちゃで遊ばなくなってしまったという設定であるとか。遊ばれなくなってしまったおもちゃたちの行方が気になるところです。
映画の内容とは全く別件ですが、遊ばれなくなってしまったおもちゃたちにとって朗報といえるのが、5日と6日に横浜市のBankART Studio NYKで開かれる、「かえっこバザール in 環境行動フォーラム2010」です。この「かえっこバザール」とは、藤浩志さんが考案した企画で、おもちゃの物々交換プログラム「かえっこ」のイベントです。
「かえっこ」とは?
かえっことは具体的にどのようなルールで行われるおもちゃの物々交換なのでしょうか?
1.子どもたちが自分の不要になったおもちゃを、「かえっこバンク」の窓口の「バンクマン」とよばれる査定係の子どもに提示します。
2.「バンクマン」の子どもは、提示されたおもちゃをその状態などから査定し、引き取ります。このとき、おもちゃと交換としてカエルポイントとよばれる擬似通貨があたえられるます。交換したおもちゃは、「かえっこショップ」でカエルポイントがつけられて店頭に並べられます。
3.おもちゃと引き換えに得たカエルポイントを使って、子どもたちは「かえっこショップ」に並ぶおもちゃを手に入れることができます。
こうしたおもちゃの交換システムのほかにも、カエルポイントを使っておもちゃを落札するオークション「かえっこオークション」や、交換するおもちゃがない子どもには開催されるワークショップに参加・活躍に応じてカエルポイントを得ることができるなど、多くの子どもたちが楽しめるしくみがあるようです。
広まる「かえっこ」運動
2000年にはじまった「かえっこ」の取り組みは、今まで1000箇所以上の学校や保育園、美術館などで開催され、着実に広まっているようです。開催情報を発信しているブログには、全国各地での開催予定が掲載されています。また、日本だけにとどまらず韓国、台湾、アメリカで開催されたこともあるようです。
今回ご紹介した、「かえっこバザール in 環境行動フォーラム2010」のように環境保護イベントなどとともに実施されることも多いようで、子どもたちにおもちゃの交換を通じて環境意識を高められる点は特筆すべきかもしれません。
まだまだある物々交換の取り組み
物々交換による循環型社会への取り組みをみる機会は、近年増えているようです。たとえば、デザイナーのナガオカケンメイさんが代表を務めるデザインセレクトショップ「D&DEPARTMENT PROJECT」で行われているのは、本を物々交換するD&USED BOOKSという取り組みです。ここに集まる本は、デザインや生活雑貨などに関心のある人々が寄せる本ということもあり、独特のセンスやおもしろみのあるものが並んでいるようです。同じく本の物々交換としては、横浜市資源循環局が区役所や図書館などで本のリサイクルを進めるリサイクル文庫という取り組みもあります。
自分にとって不要なもの、使わなくなったものが、他の人の手に渡ることで、そのもののもつ価値を再度発見すことができ、また自分にとっても価値あるものを新たに手に入れることができます。
こうした運動がさらに広がることによって、たくさんの人の生活が豊かになるとよいですね。
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