- きょういくじん会議

7日の読売新聞によると、デジタル教材の開発に取り組む「でじたま」という有志の教員のグループと、文教大学によるデジタル教材開発が本格化している、とのこと。平成23年度は小学校の教科書全面改訂。それにあわせて約5割の教科書が、電子黒板に対応したデジタル教科書を発行する予定とされ、デジタル教材は急速に身近なものになっていくかもしれません。
こうしたデジタル教材は、教科書会社などからだけではありません。前述の「でじたま」のような有志の先生方、3月8日の記事でご紹介した独立行政法人・科学技術振興機構(JST)の理科ねっとわーくのような学術機関発のもの、一般企業の呼びかけによって集められたものなど、いまや幅広い場所で手に入れることができます。実際どのようなものがあるか、みてみましょう。
アップル
最近もiPad(アイパッド)の発売などでなにかと話題なアップル社のホームページでは、デジタル教材コンテストとして、実際に教育に携わる先生方の力作が寄せられています。今のところ2回コンテストは行われ、2回目のグランプリには、熊本市立飽田東小学校の前田先生作・「敬語の達人」が選ばれています。見てみると、日常の会話を敬語に次々置き換えていく、フラッシュカード形式の動画。リズムよく問題が続くので、おとなでも知らず知らず問題に集中していきます。
NHKデジタル教材
NHKが展開する、NHKデジタル教材では、小学校で習う国語・算数・理科・社会から英語や音楽など、多岐にわたって取り扱っています。その中のひとつの「計算ドリル」を覗いてみると、学年ごと、単元ごとに細かく練習ができ、ひとつひとつこなしていけば、かなりの練習量になりそうです。どちらかといえば児童が個々に取り組むもの、といった感じでしょうか。ほかにも、「クリップ」という1分くらいで見られる理科や社会の映像集は、言葉や紙面だけではなかなかイメージしづらい内容を、色々とフォローしてくれそうです。
これからもますます増えていきそうなデジタル教材。特に現場で、「こんな教材があったらいいな」と必要性を感じて作成された、先生方の作品には注目したいところです。デジタル教材を授業などで多く取り上げ、有効に活用していくのは、先生方のほうで慣れや練習が必要かもしれませんが、上手く使いこなせれば、授業の進め方に新たな幅を持たせてくれるのではないでしょうか。
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