- きょういくじん会議

皆さんの周りに、イクメンは増えていますか。街でベビーカーを押したり、子どもを抱いているパパの姿、もう違和感のない光景かもしれません。20日の父の日、また30日からの改正育児介護休業法の施行を受けて、最近イクメンに関する話題が多く取り上げられています。以前のきょういくじん記事でも紹介したイクメンですが、彼らを取り巻く環境は整備されつつあるようです。
パパの育児休業取得を推進する施策
30日に施行される改正育児介護休業法。その内容の一部は、下記のとおりです。
@パパ・ママ育休プラス…父母ともに育児休業を取得する場合、休業可能期間を子が1歳2か月に達するまで延長。(現行の休業可能期間は、父母ともに子が1歳に達するまでの1年間。)
A出産後8週間以内の父親の育児休業取得の促進…配偶者の出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、再度取得が可能。(現行は、子1人につき1回。特別な事情がない限り再度の取得は不可能。)
B労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止…専業主婦(夫)家庭の夫(妻)を含め、全ての労働者が育児休業を取得可能。
これまで女性に関わる事項が中心だったのに比べて、今回は男性に目を向けた点が改正の大きなポイントといえます。父親の育児休業取得の推進、ずばりイクメンの増加を目指す改正です。この改正によって、単に父親の育児に関わる時間が増えるだけでなく、育休を終えた職場復帰直後や出産直後の大変な時期に父母が協力して子育てにあたれるようになることも注目すべきです。
さらに、18日の朝日新聞の記事によると、厚生労働省が「イクメンプロジェクト」を発足した、とのこと。この取り組みも、父親の育児休業取得率アップを当面の目標としています。育児に取り組む男性がイクメン宣言をしたり、個人や企業などがサポーターとして応援するプロジェクトで、まだ登録は少ないようですが、情報の発信拠点としてさまざまな活動をしていく、とのことですので、今後に期待したいものです。
「イクメン」が特別でなくなる日は近い?遠い?
イクメンといえば、「おしゃれでかっこいいパパ」といったイメージでとらえられ、その見た目に関心が集まりがちのように思います。しかし、今回の法改正をはじめとする行政の後押しによって、いっときの流行に終わらない存在になりつつあるのではないでしょうか。イクメンが増えれば、その影響が及ぶ範囲は子どもやパートナーである女性だけにとどまらないはずです。職場などの社会に育児の楽しさを知る男性が増えるということは、社会生活をともにおくる周りの女性にとっても、すごしやすい環境をつくることにつながると思います。イクメンを増やそうという取り組みは、少子高齢化や労働力の確保、女性の社会進出などの大きな問題を背景としていますが、シンプルに「子育てに加わりたい」と思う男性は確実に増えています。その思いを大切にして、「イクメン」が特別でなくなる日が早くくるといいな、と思います。
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