きょういくじん会議
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魅力ある国技として―大相撲・野球賭博問題
kyoikujin
2010/6/24 掲載
映像で見る国技大相撲 9 平成15〜18年(2003〜200 (ベースボール・マガジン社分冊百科シリーズ)

 この一か月、毎日のように報道されている大相撲の野球賭博問題。近年、相撲界の不祥事が取り沙汰されることが多くなりました。教育と相撲、どんな関係が?と思った方、相撲協会の監督官庁は文部科学省ということをご存知ですか。

騒動の経緯

 一部の週刊誌の記事を発端とした野球賭博問題ですが、記事ではあげられなかった別の現役力士らの自己申告を受けて、協会に所属する全力士に対して賭博に関するアンケート方式の実態調査が行われました。提出期限であった今月14日までに申告すれば厳重注意で済ます、というのが当初の基本方針。ところが、ふたを開けてみれば野球賭博以外(花札・麻雀など)の賭け事も含め、延べ65人もの関係者が賭博に関わっており、中には親方の名前もあったとか。氏名は公表しない、としている協会側の姿勢とは裏腹に、ワイドショーでは賭博に関与したとされる親方・力士らの実名が連日明らかになっています。

花札も賭博なの!?

 実は、実態調査を見てびっくりしたのが、花札も賭博としてあげられていたこと。なぜなら我が家(我が一族?)のお正月は花札が必需品。老若男女を問わずできるこのゲームは、様々な年代が集まるお正月にはトランプやUNOより重宝されます。花札って違法行為だったの?とドキドキしながら報道を見ていましたが、純粋にゲームとして楽しむ分にはもちろん問題はありません。

スポンサー撤退、厳しい世論

 さて、相撲界では、賭博問題の広がりと大きさが明らかになるにつれて、様々な余波が出ています。現在、1場所当たりもっとも多くの懸賞金を提供していた永谷園は、来場所の提供を取りやめました。その額およそ1200万円。また、同様に懸賞金を提供している森永製菓や富士ゼロックスも状況の推移や対応の様子を見て、取りやめを検討しているそうです。永谷園の決定を受けて、スポンサーの撤退が今後相次ぐかもしれません。

場所取りやめで経済的打撃も

 さらに、来月11日に初日を迎えるはずの本場所でしたが、7月4日の臨時理事会で開催か否かを最終決定すると21日付けの朝日新聞の記事は報じています。もし中止になったとすれば、その損失は数十億円とも言われており、影響は甚大なものとなります。チケットやテレビ放映といったものだけでなく、場所中にお客さんに売られるはずだったお弁当などの発注もなくなってしまうのではと考えると、試算にあがらない経済的損失はまさに計り知れません。

魅力ある国技に戻れるか?

 90年代初めから半ばにかけて、大相撲は若貴ブームに沸いて大変な人気だったと聞きます。しかし、平成初期のこのブームを、私は資料や映像でしか知りません。武道の一つとして学習指導要領に例示されている相撲ですが、力士志願者の確保は難しくなっているとも言われています。今後の相撲界を担っていくであろう子どもたちのためにも、悪しきは正し、魅力ある国技となることを願うばかりです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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