きょういくじん会議
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七夕―ひときわ輝く「彦星」にあやかって
kyoikujin
2010/7/7 掲載
たなばた(こどものとも絵本)

 7月7日は五節句の一つにも数えられる「七夕」です。わし座の1等星アルタイルを夏彦星(彦星、牽牛星)、こと座の1等星ベガを織姫星(織女星)として、この日に2人が会える、という説話もよく知られています。

 わし座のアルタイル、こと座のベガは、はくちょう座のデネブを加え、「夏の大三角形」とも呼ばれます。そのうち、わし座は「ガニュメデスの誘拐」というギリシャ神話では、主神ゼウスの化身ともされています。(※1)
 1番星の「アルタイル」は、太陽の10.7倍の明るさがある赤い恒星で、「アン・ナスル・アッ・ターイル(飛翔するワシ)」というアラビア語の後半部分をとったもの。(※2)この夜空にひときわ輝く星は人々をひきつけ、その名前が冠されたものが多くあります。

 日本では、Jリーグのベガルタ仙台が、そのチーム名は有名な仙台七夕を由来とし、織り姫“べガ”と彦星“アルタイル”から合体名を制作したもの。チームのマスコットは、アルタイルが属するわし座から、ギリシャ神話で勝利をもたらすと言われるイヌワシのキャラクター、その名も「ベガッ太」です。また、月刊少年シリウスに連載中の漫画に、『将国のアルタイル』(作者:カトウコトノ)というものもあります。

 世界で言えば、世界最初に一般消費者向けに市販されたμコンピューターの商品名は、「Altair 8080」(MITS社)。NASAが宇宙飛行士の月面着陸を目指して計画していたコンステレーション計画(※3)での月面着陸機の名前も、「アルタイル」。チリの女性醸造家アナ・マリア・クムシエによるワイン「アルタイル」は、ギリシャ神話に由来したものですが、“七夕ワイン”としてPRもされています。

 夜空を見上げながら、人々の創造力をかきたてるこの星々について、新たな物語を思い描いてみるのもよいかもしれません。

※1 さらわれたガニュメデスはみずがめ座となっている。

※2 ベガは「降りてくる鷲」の意。

※3 オバマ政権により中止された。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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