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望ましい学級規模は? 小中35人、小低学年は30人
kyoikujin
2010/7/15 掲載
タイプ別学習集団の効果的な編成―少人数指導、学級編成弾力化の手引き

 中央教育審議会・初等中等教育分科会は公立小中学校の学級規模について、1学級の上限人数を現行の40人から引き下げることを求める提言を12日、正式にまとめた。これを受けて文部科学省は1学級の上限を現行の40人から35人、小学校低学年は30人に引き下げることを検討する。
 過去の記事(35人学級へ、少人数学級案まとまる―中央教育審議会)でも報じたように文部科学省では来年度の実施を目指し、法案改正とともに必要となる増加教員のための予算を来年度概算要求に間に合わせたい考えであろう。

現行の学級編成について

 「小学校設置基準(文部科学省令)」によると、学級編成の標準は現在、下記のように定められている。

  • 同学年の児童生徒で編成する学級…小・中学校ともに40人
  • 複式学級(2個学年)…小16人(1年生を含む場合は8人)、中8人
  • 特別支援学級…小・中学校ともに8人
  • 特別支援学校…小・中学部ともに6人(重複障害3人)

 原則として、学級は同学年の児童生徒で編成するもので、この標準人数は1学級あたりの人数の上限を示している。そのため35人の学年であれば、1学級(35人)となるが、55人の学年の場合は2学級(28人、27人)となる。
 また、学級編成は通常年度初めの児童生徒数に基づいて行われるが、個別の学校ごとの実情に応じて弾力的な運用も可能となっている。

学級編成についての国民の意見

「今後の学級編制及び教職員定数の在り方に関する国民からの意見募集」集計結果(PDF)によると、

  • 小中学校の学級規模に関する意見のうち、望ましい学級規模として「26人〜30人」を挙げる意見が約6割であったこと
  • 教職員と比べて、保護者の方がより小規模の学級を望む傾向があること

がわかる。

学級編成についての国際比較

  学級編制及び教職員定数に関する基礎資(PDF)によると、日本の1学級あたりの児童生徒数は初等教育で28.1人、中等教育で33.0人(2007年)とOECD平均を上回り、最も高い国の1つとなっている。
 高い学力で「フィンランドメソッド」とうたわれたフィンランドは初等・中等教育ともに20人ほどで、その差は大きい。

 国民の期待や国際社会の中で教育立国への願いを思うにつけ、文部科学省の学級編成の標準の引き下げの動きに期待が高まっていく。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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