きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
英語で日本の文化を発信! Kids Web Japanの活用
kyoikujin
2010/8/4 掲載

 皆さんは、日本の外務省が運営しているKids Web Japanのホームページ(英語版)をご存知でしょうか。
 Kids Web Japanは、主に海外の子ども(10〜14歳)を対象に、日本の文化などについて紹介しているホームページです。英語版と日本語版の両方があります。海外の子どもたちはもちろんのこと、日本の中学生たちが、英語や日本の文化を学ぶ時にも活用できそうです。

 英語版と日本語版のうち、多くの内容が重複していますので、英語が苦手な方は、まずは日本語版から見てみることをオススメいたします。英語版は、中学の教科書には出てこない難しい英単語が一部あるものの、辞書を片手に読めば、理解できそうなレベルです。また、両方を見比べると対訳のようにも読めるので、英語の学習に活用できると思います。

 日本語版は、PLAYLEARNTRYの3つのカテゴリーで構成されていて、以下のような内容が載っています。
★PLAY
「流行通信」
日本の子どもたちの間で流行しているものを紹介。
「バーチャルカルチャー」
日本の伝統文化を紹介。バーチャル体験もできる。
「キッズギャラリー」
子どもたちが描いた絵の展示。

★LEARN
「ハイテクジャパン」
日本の科学技術について。世界的に有名なものや人の紹介。
「日本各地の名産品」
大阪、富山、長崎の名産品を紹介。

★TRY
「めざせ!明日の巨匠」
日本の伝統芸能などに取り組む子どもたちの紹介。
「学校へ行こう」
日本各地の学校生活を紹介。

 これらの中で、今回オススメしたいのは、「バーチャルカルチャー」「日本各地の名産品」です。

 まず、「バーチャルカルチャー」(英語版はVirtual Culture)では、日本舞踊やふくわらい、生け花などが取り上げられています。日本人なら聞いたことはあるけれど、その歴史や詳しい内容までは知らないというものもありそうです。調べ学習にも活用できますね。イラストや写真も用いて説明されているので、日本の文化について見やすくまとまっています。日本人が読んでも、意外な発見が多いのではないかと感じます。

 例えば、「着物」のページではその歴史について載っています。
 着物は寒い時には重ね着ができますが、同じ型の着物を何枚も重ねて着る習慣から、日本人が季節感などを意識した色の調和を大切にするようになったという歴史などが載っています。
 それから、「けん玉」のページでは、バーチャルけん玉があり、けん玉遊びのバーチャル体験ができます。画面上で再現された巧妙な音と、しなやかな糸の動きで、まるで本物のけん玉に挑戦しているかのような気分を味わえます。このような仕組みがあると、海外の子どもたちも想像がしやすいと思います。

 次に、「日本各地の名産品」(英語版はLocal Specialities)のページでは、大阪のお好み焼きとたこ焼き、富山のホタルイカ、長崎の長崎カステラが紹介されています。大阪のお好み焼きを例にして、英語版と日本語版を比べてみましょう。お好み焼きを想像しながら読むと、イメージが掴みやすいかもしれません。

英語版

 Okonomiyaki is made from cabbage,flour,eggs,pork or seafood and other ingredients, all mixed into a batter then grilled on an iron plate. Despite its simplicity, the relaxed manner in which it can be eaten anytime, coupled with its deep flavor, has made it a well-loved food not just in Osaka but throughout Japan.

日本語版

 お好み焼きは、キャベツ、小麦粉、卵、豚肉や魚介類、など様々な食材を具材としてまぜ、さらに鉄板上で焼き上げる単純なものですが、いつでも食べられる手軽さと奥深い味わいで、大阪にとどまらず日本中で人気のある庶民の味となっています。

 日本語版の方は、改めて紹介文を読むと、表現がおもしろく、楽しんで読めるものが多いです。また、身近なお好み焼きなどが、海外の子ども向けに英語で紹介されているのを目の当たりにすると、英語に対するイメージが変わってくる気がします。このようなホームページを通じて、海外の子どもたちが日本の文化などを学んでいると思うと、世界で英語が通用することを、より実感できるのではないでしょうか。
 教科書や試験に出てくる英語も大切ですが、海外の人たちとの架け橋として実際に活用されている場面を見せてあげられたら、英語への関心が高まるかもしれません。中学生の調べ学習や英語の学習に、Kids Web Japanを活用してみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。