- きょういくじん会議
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アニメの世界を現在の技術で具現化したら? そんな夢のある発想から生まれた取り組みやイベントが、今話題を呼んでいます。宇宙を舞台にモビルスーツで戦いを繰り広げた「機動戦士ガンダム」や、困ったときにはひみつ道具で助けてくれる「ドラえもん」。「現実にはあり得ない」と思いつつ見たアニメの世界も、実は近い未来に実現可能なのかもしれない!?
アニメに登場する建造物の施工主になれる!?
「マジンガーZ」の格納庫を建設したら工費と工期はどのくらい? 「銀河鉄道999」の高架橋だったらどのくらいになるの?? そんなビッグスケールの素朴な疑問を大真面目に検証してきた「前田建設ファンタジー営業部」が、2010年3月に再始動しました。
「前田建設ファンタジー営業部」は、前田建設工業株式会社がホームページ上に設けた架空の部署。アニメ、マンガ、ゲームといった空想世界に存在する特徴ある建造物を本当に受注し、現状の技術と材料で建設するとしたらどうなるかについて検証、最終的に工費・工期を算出して公表しています。(ちなみに、先に挙げた「マジンガーZ」の格納庫は予算72億円、工期6年5ヶ月、「銀河鉄道999」の高架橋は工費37億円、工期3年3カ月だとか。)建設業に全く興味のない人にも、楽しくかつわかりやすく建設会社の仕事をわかってもらいたいという想いから始まったこの部署の取り組みは、遊び心とためになる知識が満載です。
今回「PROJECT05」として取り組むのは、「機動戦士ガンダム」の「ジャブロー」建設。南米の地底にたたずむ巨大秘密基地の建設のためには、どのような技術が使われるのか? 工費や工期は?? 始動したばかりのプロジェクトに今から期待がかかります。
アニメ世界を体感できるイベント
「機動戦士ガンダム」といえば、昨夏、お台場に登場し話題を呼んだ等身大モビルスーツ。実用化にはまだまだほど遠いかもしれませんが、あの巨大なモビルスーツがそびえ立つ姿に感動を覚えた方も多いのではないでしょうか。今夏はJR東静岡駅前に設置され、新幹線からも見られるのだとか。夏の旅行・帰省の楽しみのひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
また、現在日本科学未来館で開催中の「ドラえもんの科学みらい展」では、ドラえもんのようなロボットや四次元ポケットから取り出すひみつ道具に近い、現在の最先端技術を紹介しています。「タケコプター」や「ほんやくコンニャク」まであと一歩、といった技術も紹介されています。科学技術の進歩を親子で体感してみるのもよいかもしれませんね。
これらの取り組みやイベントが行われるのは、科学技術や産業技術が飛躍的に進歩し、現実世界がかつての仮想世界に近づいているからといえるでしょう。「理数離れ」が話題に挙がる昨今。今は実現不可能な仮想世界のアイテムも、探究心や研究を積み重ねれば、いつかは実現する日が訪れる―そんな思いが、理科や数学の学習への動機付けに活用できるかもしれませんね。
- お父さんも息子も大興奮! お台場に「ガンダム」現る(2009/7/1)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20090228 - 理科好きの中学生21%、特定課題調査(国立教育研究所)(2007/11/29)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070426
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