きょういくじん会議
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来年度から短期留学支援開始―文科省
kyoikujin
2010/9/10 掲載
留学ジャーナル別冊2010-2011『学生&社会人のための海外の大学・大学院完全ガイド』

 文部科学省は、来年度からショートビジットという短期留学支援を始めるそうです。4日の毎日新聞が伝えています。ショートビジットとは、これまでより気軽に留学を試せるように、従来の短期留学制度(3か月間〜1年間)より短い2週間〜3か月間の留学について資金を支援する、大学生の海外派遣制度です。

 同記事によると、学生が内向き志向になり、海外留学をする大学生の数が伸びなやんでいるとのこと。これを受けて、ショートビジットをきっかけとした本格的な海外留学者の数をふやすことが狙いのようです。科学技術研究の国際競争において、海外経験のある優秀な研究者をふやすことなども意識していることがうかがえます。

 学生が内向き志向になってきた理由には、インターネットで海外の情報を手軽に入手できることや、留学による留年が就職に不利になることが挙げられていますが、留学の醍醐味はあくまで直接海外の空気に触れて経験することだという考えもあるので、苦労して情報を手に入れに行く必要がないので留学者数が減ったということには懐疑的な見方もあります。しかし、この就職難の時代、やはり費用や就職のことを考えて留学を諦めてしまうというケースは多いのではないでしょうか。そういった意味で、単位を認めて費用を支給する今回の取り組みは、やはり「行きたくても費用や就職のことを考えて行けない」学生を後押しするものになってくれるかもしれません。しかし、今回の制度はショートビジットを単位として認める大学の学生のみに与えられる機会ですので、今後はその他の学生にも門戸を広げたり、留学が就職に不利に響かない仕組みづくりが求められるかもしれません。

 最近、企業の公用語英語化、グローバル化などのようすを目の当たりにして、子どもに海外のこともよく知っておいてもらいたい、留学をさせたいという親も多いのではないでしょうか。一生モノの経験ができるかもしれない海外留学。その選択肢を選べる学生は増えるのは喜ばしいことかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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