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子宮頸がん、予防で学ぼう&考えよう
kyoikujin
2010/9/21 掲載
子宮頸がんはみんなで予防できる

 14日の読売新聞の記事によると、徳島県は県内の中学3年生女子全員に、子宮頸(けい)がんの予防ワクチンを接種してもらうための全額助成を始めたそうです。都道府県レベルによる助成は、全国で東京、山梨についで3例目とのこと。「子宮頸がん」という言葉、最近テレビCMでもよく耳にするようになりましたね。一体どのような病気なのでしょうか。

子宮頸がんとは?

子宮頸がん …子宮の入り口付近にできるがん
原因…ヒトパピローマウイルス(HPV)

 日本では年間1万5000人以上がかかり、3500人あまりが亡くなっていると推察されています。近年、20〜30歳代で増加傾向にあるがんですが、検診やワクチンなどで予防できる唯一のがんでもあるそうです。原因となるヒトパピローマウイルスは、主に性交渉で感染します。したがって、冒頭でもご紹介したように、専門家の推奨する11〜14歳の年齢に当たる小学校6年生〜中学校3年生くらいまでの女子を対象としたワクチン接種への助成を行う自治体が増えています。

問題点も

 現在、ワクチン接種は任意のため保険がきかず、約5万円の自己負担がかかります。また、半年間で計3回の接種が必要です。しかし、自治体による全額もしくは一部助成で一斉に受けることが出来れば、金銭的な負担が軽くなるだけでなく、接種を忘れるということも防げます。そういう意味でも、学齢期の接種は理想的といえるでしょう。一方で、自治体によって助成の有無・助成額はまちまちなため、啓発も含め、政府の積極的な介入が望まれています。

自分の体を考える機会として

 若い世代にとっても身近ながんであることから、大学生の有志によるグループが学園祭でイベントをしたり、高校へ出前授業を行ったりと、“当事者”によるワクチン接種・予防・検診の啓発が行われています。
 私の住んでいる区でも、国の「女性特有のがん検診推進事業」に基づき、がん検診の無料クーポン券が郵送されてきました。自分自身、『まだがんっていう歳でもないし…』とまさに人ごとのように考えていましたが、活動の広がりをニュースで見る機会が多くなり、検診に行こうと思うようになりました。
 できれば、性交渉前の接種が望ましいとされるこのワクチン。原因や予防方法、検診などについて正しい知識を得ることで、子どもたちが自分の体について、より深く考え、大切にするきっかけになるかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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