- きょういくじん会議
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6日の朝日新聞の記事によると、待機児童が3年連続で増加し、過去最低の水準に戻った、とのこと。認可保育所の定員が増えて、待機児童の増加率は大幅に縮小したにも関わらず、高まる需要には追いつかない―この状況に解消策はあるのでしょうか。
大都市に集中する待機児童
政治でもよく取り上げられる待機児童問題は、全国的な現象ととらえてしまうかもしれませんが、厚生労働省全国待機児童マップ(PDF)を見ると、それが局地的で大都市圏に集中していることがわかります。待機児童問題に直面する自治体は、いろいろな解消策を打ち出しています。例えば政府広報オンラインに紹介されている品川区は、区立小学校の教室を保育園の分園として利用しています。年長クラスが小学校へ移ることで、保育園は定員を増やすことができ、さらには、園児が小学生と交流することで、その後の「小1プロブレム」の解消につながるのではないかと期待されています。
救世主になるか?保育ママ
待機児童解消策として特に注目されているのが、保育ママです。保育ママとは、市町村の認定により自宅等で児童を預かって保育サービスを行う人のことで、この事業は、改正児童福祉法により4月から国の制度として位置づけられました。それに合わせて、保育ママの認定要件が緩和され、保育士などの資格がなくても研修を受け、市町村の認定を受ければ保育ママになれるようになりました。国が大きな期待を寄せる保育ママ。少人数保育による密室化、休暇をとる保育ママに代わって子どもを預かる保育園との連携など、問題は残っています。本当に普及は進むのでしょうか―昨年度、保育ママは全国で約1100人、利用者は約2600人で、国は2014年度までに利用者を1万9000人に増やすことを目指しています。
就活や婚活ならぬ「保活」という言葉があるそうです。「保活」とはまさに、「子どもを保育園にいれるための活動」のこと。すでに体験された方もいるかもしれません。次々に打ち出される解消策が成果をあげて、保護者が負担なく受けられる保育であってほしいものです。
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