- きょういくじん会議
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ようやくひどく暑く、長かった夏もすぎ、少しずつ秋の気配が感じられるようになりました。
さてさて秋といえば、食べものがおいしくなる時期。栗、さつまいも、松茸、柿、ぶどうなどなど季節の食べものはあげればきりのないものです。しかしその中でも、やはり秋の食材の代表といえばサンマでしょう! ですが、その秋の食材代表選手のサンマが今年は不漁とのことです。
不漁の原因
9日の読売新聞によると、今年の日本周辺海域の平均海面水温は、観測を始めた1985年以来過去最高だったそうです。この水温上昇のためか、回遊魚であるサンマがいつもならみられる時期になっても日本近海に現われず、今年は不漁といわれています。
また、サンマだけではなく、サケの漁獲量も今年は平年に比べ鈍っています。先月24日から今月10日までの北海道での漁獲量は、前年度のおよそ半分(!)とか。
16日の北海道新聞では、この原因を北海道周辺の海の水温上昇と紹介しています。サケの不漁も、サンマの不漁の原因と同じということを考えると、まだまだ他の魚にも同様の影響が出てきそうです。
学生だって、サンマが不漁じゃ困る!
10日の毎日新聞には、このサンマの不漁についての大学生たちのコメントが寄せられていました。その中のひとつに、「サンマ大好きな私にとって、民主党代表選と同じくらい注目のニュースです!」というものがありましたが、ちょっと私もうなずいてしまいました。
さらにこの不漁でダメージを受けそうなのは、宮城県水産高等学校のサンマの缶詰です。この学校では授業の一環で「サンマ味付缶詰実習」というものがあり、その缶詰は文化祭でわずか10分で売り切れるという大人気商品。1日に1トン以上の原料を仕入れて缶詰にするというものですが、今年のサンマの不漁はこの名物にも影響を及ぼすかもしれません。
サンマから環境を考える
銚子港では、一昨日ようやく例年の約1ヶ月遅れでサンマが初水揚げされました。気になるそのサンマのお値段はというと、昨年の初水揚げの値段の2〜3倍となっているそうです!
今年はラニーニャ現象も手伝っての酷暑でしたが、温暖化で徐々に平均水温が高くなっていくと、そもそもサンマやサケが食べれなくなってしまうかもしれません。現に海面の水温は過去100年で1.3度〜1.7度上昇しているといわれています。日本近海の環境が変わると、魚たちの漁場が遠くなってしまうので、その分費用もかかることになり、必然的に魚の値段も上がってしまいます。サンマやサケがいつのまにか雲の上の存在に、なんてことになってしまうかもしれません。
サンマは栄養価の高い魚ですが、そもそも旬の時期というのは味とともに、さらにその栄養価も高まっているとき。サンマを食べながらラニーニャ現象にも思いをはせると、食育と気象環境両方の学習になるかもしれませんね。
- お待たせ! 1か月遅れサンマ初水揚げ…銚子漁港(読売新聞 9月16日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100916-00000781-yom-soci - イワシ サンマ不漁の一方で今年は豊漁 秋の食卓で復活か(毎日新聞 9月14日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100914-00000015-maip-soci(複数行可) - サンマの不漁 わずか2度の温度差で(中日新聞 8月30日)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2010083002000008.html - キャンパる Life(毎日新聞)
http://www.my-campal.com/index.html - 宮城県水産高等学校
http://miyagisuisan.myswan.ne.jp/index.html - ラニーニャ現象発生? 今年は残暑も厳しくなりそう(きょういくじん会議 8月18日)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20100192
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