きょういくじん会議
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超ド級のスケールに釘付け! TV番組「大科学実験」
kyoikujin
2010/9/28 掲載
たのしい科学実験365日

 「やってみなくちゃわからない!」という決まり文句で始まる番組をご存知だろうか。何をやってみるのかって? 「大科学実験で。」という言葉が後に続く。

●とにかくスケールが違う!

 NHK教育テレビで放送されている「大科学実験」という番組。今年の3月よりスタートし、これまでに17の実験が行われた。
 実際に実験をする科学番組は様々にあるが、この番組はタイトルの通り、実験の規模が格段に大きい。力の分散を検証するためには、500個の卵の上に700キロのラクダを乗せ、慣性の法則の実験では、無数に食器を並べた10メートル四方の巨大テーブルクロスを時速140キロのレーシングカーで引っ張る。とにかく仕掛けが大掛かりだ。

●なんでここまで大仕掛けなのか?!

 番組で取り上げられる実験は、教科書や資料集の中でもよく扱われるような、科学の仕組みを実験で検証するというもの。
 例えば、浮力の原理を使って象の重さを量る実験。タイまで行って、実際に象をイカダに乗せ喫水線を印す。次に同じだけイカダが沈むように人が乗り、乗った人の体重を足していくことで象の体重を割り出す。最後に、巨大体重計で象を測量し、浮力の原理を使って量った重さとほぼ等しいことがわかる。
 確かにこの実験により、浮力の原理というのを目で見て納得できた。それにしてもこの実験、そもそもタイへ行くことも大変だし、象をイカダに乗せることも大変だし、象と同じ重さになるだけの人を集めることだって大変だ。だったら、水槽でネズミを量るのでもよいのでは?といってしまえばそれまでだが、やはりこのスケールで行われるから「浮力の原理」というものが頭の中で映像として留まるのだろう。非日常のスケールでの実験を目の当たりにすると、思わず見入ってしまい、「科学っておもしろい」と素直に感じることができる。科学への興味が自然とかき立てられる。理科好きの子どもを育てる手立てとして、オモシロ実験が取り上げられることは多いが、その中でもインパクトはバツグンだ。

●裏話も満載

 ちなみに、これだけ大掛かりな実験なだけあって、実験の裏にはエピソードも盛りだくさんのようだ。番組のプロデューサー森美樹氏の知り合いで日経サイエンスの詫摩氏が、日経サイエンスのホームページ内のワンコーナーで、番組制作にまつわる裏話を公開している。

 次回放送は明日29日19:40から「ボールは戻ってくる?」という実験。おもしろさは、「みてみなくちゃわからない!」。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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