- きょういくじん会議
子どもからお年寄りまで楽しめ、天候も気にせず遊びに行ける。水族館は今も昔も変わらず人気ですが、ただ鑑賞するだけではなく、子どもも大人も楽しみながら学べる新しいタイプの水族館の登場で、さらにその魅力は広がったようです。「行動展示」で有名になった北海道の旭山動物園のように発想の転換から生まれたユニークな水族館を紹介します。
福島県いわき市にあるアクアマリンふくしまは、水族館で釣った魚を食べることができるという新しい体験型の施設を開設したことで人気になりました。人口のビーチで釣りを楽しんだ後は、なんとその魚を自分で調理して、食べることができます。水族館で鑑賞している魚を「美味しそう」なんて言うのはタブーだと思われていましたが、実際に調理して食べることで、魚の体の仕組みを学んだり、食べ物の大切さを実感することができる食育への取り組みとして受け入れられているようです。他にも漁師さんと地引網で漁をしたり、水族館の飼育体験ができたりと、様々な参加型プログラムを開催していますが、水族館でメインとも言えるイルカやアシカのショーは開催していません。実際、水族館に行っても、鑑賞もそこそこに人気のショーの席をとるために長時間並んでいたなんていう経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。派手なショーだけに関心が向けられることなく、このようなユニークな体験メニューで本来の目的である海の生物の生態系を知り、関心を向けさせることが見事に成功した一例と言えそうです。
また、しながわ水族館や沖縄美ら海水族館などの巨大水槽による展示やトンネル水槽は有名で、行ったことがある方も多いのではないでしょうか。巨大水槽や、水中トンネルは、海の中に自分がいるような錯覚を起こしてしまうほどダイナミックで、まるで私たち人間が海の生物に鑑賞されているように思えてしまいます。他にも、身近な魚や海のいきものたちに触れることができる体験ができる水族館も多く、子どもたちにとっては、鑑賞するよりもより身近に感じることができ、忘れ難い体験になりそうです。
近くに川や海がない地域に住んでいる子どもたちは、魚の種類がわからなったり、調理法が難しいと思われがちな魚は、家庭で食卓に並ぶことが少なかったり…ということも多くなっているかもしれません。水族館に行くことで、もっと海そのものや海の生き物に関心を持ち、感謝しながら美味しくいただくことができるようになればいいな、と思いました。さあ、皆さんも楽しい水族館を魚(ウオ)ッチングしてみてはいかがでしょうか。