- きょういくじん会議
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11月26日の産経新聞の記事によると、東京都文京区の社会奉仕団体「東京小石川ロータリークラブ」が音楽専門学校を持つ尚美学園と連携し、文京区内すべての国公立の小中学校、特別支援学校に5.1チャンネルのサウンド音響が再生できるオーディオ装置を寄贈するそうです。最新機器の導入は音楽の授業をどう変えるのでしょうか。現代の音楽教育事情を調べました。
今回、文京区内の各学校に寄贈される、5.1チャンネルサラウンドとは一般的に、6つのスピーカーを用いて、聴き手を取り囲むように音を再生します。そのため前方にのみスピーカーがある場合よりも、音の立体感が増し、より臨場感にあふれた音響効果を楽しむことができるとされています。この5.1チャンネルサラウンドによって例えば、音楽鑑賞の際に従来よりも、臨場感を伴った鑑賞ができるようになると期待されます。様々な音楽や演劇を鑑賞することで、それらに子どもたちが興味を持つきっかけになりそうですね。
新しい音楽教育のかたち
音楽の授業といえば、合唱、合奏といった実際に自分の身体を使う取組みや、クラシックなどの音楽鑑賞を連想する方が多いのではないでしょうか。しかし、近年では従来の型にとらわれない新たな形の音楽教育が実践されているのです。その一つがコンピュータを使った音楽活動の実践です。代表的なものが作曲の授業。作曲というと譜面の書き方といった音楽の基礎知識を理解していないと難しいのではないかと思ってしまいますが、専用のソフトを使えば、簡単に作曲をすることができるそうです。例えばパソコンの画面上で音符を選んだり、専用の鍵盤をひくだけで簡単に楽譜をつくることができ、またできた曲をすぐに再生してくれます。これなら子どもたちでも気軽に作曲に携わることができそうですね。
また、大手楽器メーカーのKAWAIでは電子黒板を使用した音楽ソフトを発売しています。このソフトでは児童が苦手意識を持ちやすい楽譜の読みとりをパソコンによる映像を使い、視覚的、聴覚的にわかりやすく教授することができるとのこと。音楽理論の基礎である楽譜上の音符と実際の音とを関連づけて学ぶことができ、親しみやすく、そして楽しく音楽の基礎が学べます。
さらに、テレビ会議のシステムを利用しての音楽の授業も行われています。学校間でこのシステムを使い、お互いの演奏を聞きあい、交流をするといった活動が行われているのです。また、このシステムを使うと離れた場所にいながら、合唱や合奏をすることも可能になります。例えば人数が足りずに合唱や合奏を行えないような小規模の学校でも、他の学校と連携することで大人数での合唱や合奏を体験することもできるのです。
このように、パソコンや音響機材を使用することで、従来とは異なるアプローチから音楽教育を行うことが可能となっています。最新の技術を使えば、誰でも楽しく、そして容易に音楽を学ぶことができるのはこのような機器の利点であるといえるでしょう。また音楽そのものを学ぶだけではなく、音楽を通した交流活動が容易に行える点も大きな利点です。こうした交流活動で音楽が人と人とをつなぐことができるということを学ぶことができるからです。
しかし一方で、それらの機器はあくまでも音楽における一つのツールであるということを忘れてはならないと思います。機器を通しての音楽だけが音楽ではないのです。実際に本物の楽器に触れて音を出してみたり、演奏を聴いてみたり、あるいは譜面から音を自分なりに想像するといった自分の身体で直接音楽に触れることこそ音楽教育ならではの魅力であり、重視するべき点ではないでしょうか。
- KAWAIホームページ
http://www.kawai.co.jp/
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