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学校で携帯電話配布! その名も「制携帯」
kyoikujin
2010/12/17 掲載
子どものケータイ利用と学校の危機管理

 9日の朝日新聞の記事によると、今年度から神戸市にある私立須磨学園では、利用制限のある学校指定の携帯電話、その名も「制携帯」を所持することを義務づけたそうです。このような取り組みはまだ例がなく、大阪市の学校や関東の学校からも問い合わせがあり、現在注目されている制度です。

携帯電話の普及と利用者の低年齢化

 携帯電話は、現在では生活必需品と言っても過言ではないほど、多くの人が持っているものです。少し前までは、「携帯電話は大人が持つもの」というイメージがありましたが、最近では小学生でも持っているほど、多くの世代に普及しています。それに伴い、有害サイトに接続できないようフィルタリングをかけることも、最近ではよく耳にします。これだけ普及はしていても、学校への携帯電話の持ち込みを禁止することは、皆さんも納得されるかもしれません。しかし、「緊急時用の連絡手段」として、子供に携帯電話を持たせている場合は、なかなか受け入れがたいことなのかもしれません。
 私立須磨学園が、中学・高校生に所持を義務づけた「制携帯」は、フィルタリングがかかっていることはもちろん、深夜から早朝はウェブサイトへの接続自体ができない、という制限があるようです。このような携帯電話を学校が持たせてくれるのだから、親としては安心できる制度なのだと思います。

制携帯導入による効果

 制携帯のもう一つの特徴が、メールやネットの使用履歴を、保護者に開示することができる、というものです。ネット上でのいじめなども心配される中、必要に応じて履歴を開示することができる、というのは抑止力にもなっているようです。子供は、「親が見るかもしれない」と思い、ネット上でのいじめに繋がるような書き込みもなくなるのでしょう。
 しかしながら、教育向けコンテンツにもフィルタリングがかかってしまっていたり、自習をして帰るころにネットに接続できない、などの不満の声もあったようです。生徒の意見も取り入れながら、より使いやすくより安心できる制度にしていくことがこれからの課題になることでしょう。

これからの携帯電話

 子供に、いじめに繋がるような書き込みをしてはいけない、有害サイトに接続してはいけない、などとただ禁止しているだけでは、根本は解決されないのかもしれません。この「制携帯」がより普及していけば、携帯電話によるトラブルも減っていくことと思います。親、子供とも安心して携帯電話と付き合えるようになるといいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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