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今年一年の運だめし? お年玉付年賀はがきの歴史
kyoikujin
2011/1/26 掲載

 毎年お正月に届く、年賀状。書かれたメッセージが楽しみなのはもちろんですが、一緒についてくるお年玉当選番号に胸を躍らせる方も、実は結構多いのではないでしょうか。
 先日23日には、今年2011年の当選番号が発表されました。筆者は残念ながら切手すら当たりませんでしたが、皆様は、結果はいかがでしたでしょうか。

◎お年玉付年賀はがきの始まり

 お年玉付き年賀はがきの始まりには、実はある一人の男性の活躍がありました。
 終戦後まだ間もない1940年代の後半。当時の日本は、戦争の爪あとがまだ残っていました。戦時中の混乱により、家族や友人との音信が途絶えてしまった人もたくさん居ました。そのような状況の中で、「年賀状によって、連絡が途絶えた人の消息が分かれば」という考えのもと、くじ付きの年賀はがきを考案したのが、当時京都に住んでいた大林正治さんという方でした。
 大林さんは、このアイディアを、当時郵政を担当していた郵務局に熱心に提案しました。ところが郵務局の反応は、「日本はいま疲弊し、食べものもない状況であるのに、時期尚早ではないか。」と懐疑的でした。しかし、その後も大林さんは諦めずに交渉を続け、1950年(昭和24年)12月に、ようやくくじ付きの年賀はがきが発売されることとなりました。
 郵務局が消極的だったお年玉付年賀はがきも、今ではすっかり、日本のお正月の風物詩になっています。その風物詩の誕生の陰には、戦後社会の復興を願う大林さんの情熱があったのですね。

◎年賀はがきの景品

 ちなみに、お年玉付年賀はがきの最初の景品は、

特等:ミシン
1等:純毛洋服地
2等:学童用グラブ
3等:学童用こうもり傘

というランナップで、女性や子どもに喜ばれそうな日用品でした。そしてその後も、洗濯機やカメラ、テレビなどの家電製品、旅行券など、その時代時代で流行し、家庭で喜ばれる品々が景品として選ばれています。
 今年のゆうせいの賞品紹介コーナーにもあるように、「広い世代の当せん者が選びやすい賞品」で「話題になっている賞品、家族みんなで楽しめる賞品、そして会社単位でも選びやすい賞品」が揃えられているようです。

 最近では、パソコンやスマートフォンでも利用できる「大当たり」というサービスで、当選番号の確認もできるようになりました。このサービスは、手元のお年玉付き年賀はがきの番号下二桁を入力すると、当たり・はずれを調べてくれるというもの。今年の年賀はがきにももちろん対応しています。まだ番号を確認されていない方は、こちらでチェックされてみてもよいかもしれません。
 メールなどの新しいコミュニケーションツールの台頭によって、少々押されぎみとされている年賀状ですが、まだまだ私たちを楽しませてくれる、日本のお正月には欠かせない存在だと言えるでしょう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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