- きょういくじん会議
大学入試センター試験も終わり、いよいよ今年も本格的な受験シーズンに突入! 受験生も、そのご家族も希望と不安でいっぱいのこの時期に、タイムリーな研究論文が発表されました。
18日の朝日新聞の記事によると、試験の前に不安を書くと、成績の向上が認められるという研究結果が示されたそうです。
本番に弱い人ほど効果的!?
大事な試験の前は、誰でも多少は緊張し、不安になるもの。ただその「不安」、実は試験で問題を解く際に使える「ワーキングメモリ」(読んだばかりの問題文を覚えたり、計算途中の式や数字を覚えたりする短期記憶)との関係性が深く、一般に本番に弱いといわれているタイプの人たちは、その「不安」だけでワーキングメモリを目一杯使ってしまうのだそうです。
試験前に不安な気持ちを書くことにより、一度ワーキングメモリの負担を軽くして試験に使える容量を増やすことが重要ということで、プレッシャーを感じやすい人、本番に弱いタイプの人ほど効果が強く出るのではないかと論文では述べられています。
気持ちの面でも余裕が大事
精神面では、本番に弱い人の共通点として、「〜してしまったらどうしよう」といった不安を抱きやすいこと、また、何一つ失敗できない、と完璧を求めてしまうことがあるといいます。言うまでもなくしっかりと事前準備をしておくことは大事ですが、「〜してしまってもこうすれば大丈夫」とその対応策まで考える習慣をつけることや、ここまでなら失敗しても取り返しがつく、と最低限のラインを決めて少しでも心に余裕を持たせておくことが意外と大切なのかもしれません。
また、一度大事なところで失敗してしまうと、その経験から「自分は本番に弱い人間だ」、「今度もダメに違いない」と思いこんでしまうケースも多く、特に小さい頃の受験体験などは、結果がどうあれ、周囲からの子どもの努力や取り組みに対するフォローが大事であるとも言えそうです。
自分にとって大事なことだと認識しているからこそ緊張もするし不安もある、それをやみくもに否定するのではなく、当たり前のことだと頭と心に余裕をもち、実力を発揮できるといいですね。
![](/common/img/banner/merumaga_w655h70.png)