きょういくじん会議
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タイガーマスクの置き土産 児童養護施設など見直しへ
kyoikujin
2011/2/3 掲載
地域小規模児童養護施設の現状と課題

 1月28日の時事通信の記事によると、昨年末からの「タイガーマスク運動」がきっかけで、児童養護施設などの施設規定の見直しが行われているようです。
 つい先日の1月28日には、厚生労働省で児童養護施設などのあり方を見直す検討委員会がありました。

一部屋当たりの定員を4人以下へ

 この検討委員会(第1回児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会)で見直されたものの1つに、児童養護施設の一部屋あたりの定員数と面積があります。
 それまでは児童養護施設の一部屋当たりの人数は15人以下、居室面積では1人につき3.3u(約1畳)以上とされてきました。
 上記の規定に基づくと、約15畳の部屋に15人の子どもたちが、生活をするという環境も考えられます。残念ながらこれではあまりいい環境とは言えません。とくに思春期をむかえた子たちにとっては、苦痛になりうる環境だったかもしれません。
 この一部屋当たりの定員の見直しは、実に63年ぶりの改正となりました。居住スペースも1人当たり4.95u以上に改正され、以前より少し普通の家庭環境に近づいたかと思います。

省令の抜本的改正

 他にも、施設の小規模化、職員の増員、心理的・身体的ケアの拡充、里親制度の促進、施設退所後の継続ケアなど、1月28日の検討会では多くのことが話し合われたようです。
 施設に入所せざるを得ない子どもたちが、より普通の家庭に近い環境で成長でき、また18歳をすぎたあとも自立の道をしっかり歩めるようにサポートが続けられることは、同じような境遇の子どもを減らすことにもつながるかと思います。

 タイガーマスクは、ランドセルよりももっと大きな“いつもの生活”を少し良くしてくれる素敵なプレゼントを置いていってくれたようです。このタイガーマスクの想いにこたえるためにも、これらの改善・見直しはどんどん実現させてほしいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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