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みんなでわいわい楽しもう!ボードゲーム、ブームの兆し
kyoikujin oec
2011/2/18 掲載

 「ゲーム」と聞くと、テレビなどにつないで楽しむコンピューターゲームを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
 ところが近年、木のコマやカードを囲んで大勢が集まって楽しむというボードゲーム・カードゲームが、ひそかにブームの兆しを見せています。

運任せではないゲームの魅力

 ボードゲームといえば「人生ゲーム」が有名ですが、運の要素が強く、「ごっこ遊び」的なハプニングを楽しむ傾向が強いゲームでした。
 ところが最近注目を集めはじめているのは、運任せではなく、知恵や判断力・交渉力、時には感性や表現力が求められるようなボードゲームです。では、どんなものがあるのでしょう。

力を合わせて世界を救え!「パンデミック」

 多くのゲームはプレイヤー同士が勝ち負けを決するものですが、この「パンデミック」は、全員が一致団結し、世界中に蔓延する病原菌を駆逐しようというゲーム。感染の度合いが一定を超える前に特効薬を開発できれば全員が勝ち、さもなければ全員が負けというものです。
 ゲームバランスが非常によくとれていて、「あともう一歩!」というところで負けになってしまう場合が非常に多いため、個人プレーでは間に合わず、お互いが知恵を出し合い協力し、最善の策を考えながらプレイする必要があります。
 負けてしまっても、「あの時ああすれば」「次はこうしよう」といったゲーム後の感想戦も盛り上がります。
 協調性やコミュニケーション力が求められるゲームで、SankeiBizの2010年12月13日の記事によると、このゲームを休憩室に置き、アイディア出しやチームワークへの効果を上げている企業もあるそうです。

語り部となって絵物語を語る「ディクシット」

 感性豊かな子どもや、女性にもオススメなのがこの「ディクシット」。1枚1枚異なる幻想的なイラストが描かれた84枚のカードを使ったゲームです。
 語り部となったプレイヤーは、手札から一枚を裏返しに出します。そして、その絵を何らかの方法で表現するのです。単語一語でもかまいませんし、長文で説明したり、歌や身振りで表現しても構いません。
 その他のプレイヤーたちは、各々の手札から、語り部の表現したものに近いと思うカードを裏返しで出します。
 そして人数分のカードが場に出たら、混ぜて表にします。
 子は、語り部の表現したことをヒントに、語り部が出したカードを当てるのです。
 語り部は、全員に当てられても全員に外されても得点を得られません。ほどほどに、数名だけに通じるようにしなければいけないため、表現力や感性が試されることになります。
 こちらはフランス製のゲームで、イラストもおしゃれで、カードだけでもインテリアにできそうな美しさです。

いまなぜ、ボードゲームが見直されるのか

 ではこれらのボードゲーム、コンピューターのゲームと何が違うのでしょうか。
 まずは、人と人が向かい合って行うということ。コンピューターゲームでも何人かでできるゲームはありますが、全員が画面を見ないと楽しめないことがほとんどです。
 そして、実物のボードやコマを用いるという点。木や紙の手ざわりを感じながら遊ぶことで、情緒面での効果もあると言えそうです。
 さらに大きな点は、ルールが遊ぶ人の裁量にゆだねられているということ。1人1人が正しくルールを理解し、能動的に参加することが求められます。時には新しいルールを考えたりするような自由度の高さもあります。一方、ルールを守るのは各自のモラルにかかっているため、ズルをしようと思えばできてしまいます。そして、ルールを破っても楽しくないということに気づけるのも、コンピューターゲームにはない点でしょう。

 こういったアナログなコミュニケーションを通じた遊びの価値が見直されてきている背景には、人と人とのつながりが希薄になっていると言われる現代社会の情勢も関係があるのかもしれません。

ボードゲームショップに行ってみよう

 とはいえ、こういったゲームは、まだまだ日本では扱うお店が少ないのが現状です。アマゾンなどの通販サイトでも取り扱いがありますが、東京にお住まいの方には高円寺駅前の「すごろくや」さんがおすすめです。上記で紹介したものはもちろん、さらに子ども向けの商品の品揃えも豊富で、店員さんが親切にゲームの内容を紹介したり、お子さんの年齢や興味に合ったゲームを提案してくれたりします。

 休日、親子や友人たちとのひとときを、ボードゲームで過ごしてみるのも楽しいのではないでしょうか?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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