
- 「特別の教科 道徳」の授業づくり
- 道徳
A先生
学習指導要領が改正され、「特別の教科 道徳」になりました。教科になったことで、これまでと何が変わるのでしょうか。また、何が「特別」なのかを教えていただければと思います。
加藤先生からのアドバイス
変わることと変わらなければならないこと、そして変えてはいけないことがあります。「特別」とか「教科」という言葉に踊らされて慌てる必要はありません。
解説
【変わること】
教科になるということは、毎時間の計画・実施・評価がこれまで以上にきちんと行われなければならないということです。特に評価については何らかの形での記述が必要になってくるでしょう。ただし、評定ではありませんから、数値評価ということにはならないでしょう。
また、教科書を使うようになります。しかし、だからといって「教科書を教える」ということではなく、「教科書で教える」というスタンスが大切です。子どもたちの真の学びのために、教科書以外にも様々な資料を開発・活用していく必要があります。
【変わらなければならないこと】
授業改善が急務です。「分かりきったことを言わせる時間にならないように」という趣旨の課題提起が中央教育審議会や文部科学省から出されましたが、正にその通りです。
週1時間の授業が「こうあるべきもの・ことを覚え、体得する時間」になってしまい、それを毎時間評価されるようなことになっては、子どもたちのみならず教師もがんじがらめになってしまいます。「分かっているつもりだったものを改めて見つめ直し、自分自身のより良い生き方に照らし合わせて再構築していく時間」にしていきたいものです。
【変えてはいけないこと】
教科になっても、日常の生活体験と深く関わり合いを意識しながら、教育活動全体を通して学んでいくことは変わりません。単なる技術の習得とか、知識の獲得が目的ではないのです。人としてよりよく生きるという教育の大本(おおもと)の部分を担う、重要な教科です。そのような学びは、一朝一夕に結果が出るものでもありません。授業で思いやり・親切の学習をしたから、すぐに親切なことができる人になれるわけではありません。かといって、何もしないでもいいということでもありません。心の見えない部分を少しずつ耕し、いつか花開く日が来るのを焦らず、怠らずに待つことが大切です。だから「特別の」教科なのです。
道徳とは考えて、考えて、考えて答える特別な授業です。大好きな授業です。
これからも怠らずに考えていきたいです。
これは、4年前の4年生が道徳ノートに書いた言葉です。
「資料を読む道徳」から「深く考える道徳」へ
子どもたちと共に、怠らず深く考えていきましょう!
