- とっておきの授業スキル
- 国語
長瀬:第9回は、音読指導の論考も書かれている山田先生のご実践です。山田先生とは近刊『ゼロから学べる仕事術』でも一緒に執筆しました。どうぞよろしくお願いします。
全ての教科の中の筆頭科目が国語です。話すこと・聞くこと・書くこと・読むこと、そして言語事項は国語科だけでなく、他の教科の基盤にもなります。この力は一朝一夕には身につきません。反復学習を意識して取り組んでいきましょう。
スキル1易から難へのスモールステップ
できないことができるようになるコツは、できるところまで戻ってから始めることです。
漢字であれば6年生であっても1年生から始めます。漢字が苦手な子も1年生の漢字であれば大体理解できます。スラスラ書けるようになるまで練習して、次に2年、3年と進めていきます。
スピーチであれば10秒スピーチから始めます。また、最初から全員の前で発表するのではなく、隣同士のペアで発表、後ろ前のペアで発表、班で発表、メンバーを変えて小グループで発表と、少ない人数から始めます。
作文であれば3行作文から始めます。
聞く力であれば、ことわざや格言の聴写や短い話の聞き取り問題から始めます。
読書であれば、7分間読書や、読み聞かせから始めます。
このように、易しいことからスモールステップで取り組みましょう。
スキル2毎日行う
45分1回の活動よりも、5分×9回の活動の方が定着します。
話すこと・聞くこと・書くこと・読むこと・言語事項の全てに毎日取り組むことは時間的に難しいです。二週間を区切りにして、今週と来週はスピーチ、次の二週間は漢字、次の二週間は作文…等、学習している単元との兼ね合いを考え、重点的に取り組むようにします。
習慣化できると効率的になり学習効果も高まります。「今月の国語の最初は漢字でスタート」というように、学習を始めるタイミングを固定すると習慣化しやすくなります。
スキル3ふりかえりを行う
友だち同士でアドバイスしあう。すぐに丸付けをして、間違えたところはその場で覚える。記録表をつける。学んだことをノートに書く。次回のめあてを考える――等、ふりかえりの機会を設定します。
ふりかえりを行うことで成長を実感できたり、新たな課題ができたりして、次への意欲につながります。
- 「先人から学ぶ」⇒自分で考えることも大切ですが、本やセミナーで学ぶことも大切です。
- 「チームで取り組む」⇒仲間がいると成功体験やつまずきを情報交流できます。同じ学校の先生と取り組めるといいですね。
- 「ゴールイメージをもつ」⇒目指す姿があると現状とのギャップから手立てを考えられるようになります。様々な授業を参観させてもらいましょう。
長瀬:山田先生ありがとうございました。次回は道徳のとっておきスキルを中嶋郁雄先生にご紹介いただきます。どうぞお楽しみに。