教員人事にも影響力―広がるコミュニティ・スクール
20日の朝日新聞の記事では、平成16年9月から導入されたコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)が機能し、保護者や地域住民の意見が教員人事にも影響を及ぼすようになってきている状況を伝えている。
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は学校運営協議会を通じて、保護者や地域住民が、一定の権限と責任を持って学校運営に参画することができる制度。教員人事についても意見を述べることができ、任命権者である教育委員会は、できる限りその意見の内容を実現するよう努める必要がある。文部科学省の発表によると、平成19年4月1日時点の導入状況は195校。小中学校が中心だが、高等学校、幼稚園、総合支援学校も含まれている。
この制度のねらいとして
- 学校・家庭・地域社会が一体となってより良い教育の実現に取り組むこと
- 家庭や地域のニーズを迅速かつ的確に学校運営に反映させること
- 地域の創意工夫を活かした特色ある学校づくりが進むことで地域全体が活性化すること
が挙げられている。
より良い教育の場を実現するために、学校・保護者・地域が意見を出し合い、協力することが必要であることは言うまでもないことだ。しかし、同時に当事者それぞれには学校運営に関する見識と真摯な取り組みが求められる。当然大きな責任も問われることになる。
この制度を有効に活用すれば「保護者・地域参加の学校づくり」「地域に開かれた学校づくり」「特色ある学校づくり」といった現在の学校に求められる姿を実現する可能性を秘めている。しかし下手をすれば、わがままや無理難題を押しつける場になってしまう可能性もあるだろう。
コミュニティ・スクール導入の状況については平成18年4月2日から平成19年4月1日までに144校が新たに制度化し、前年比4倍になったという。これが、拙速に導入を促進した結果ではなく、地域や保護者の学校運営への理解や参加意識の高まりによる結果であることを期待したい。
- 新 学校宣言!(コミュニティ・スクールについて) (文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/index.htm
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
サラリーマン共働き世帯というサイレントマジョリティの意見をどう反映させるかですね。