理数教育の充実に向け「台形の面積」など復活へ―中教審
19日付の各紙の報道によると、18日に中央教育審議会は、次期指導要領改訂に向けて文部科学省が提示した小学校算数に「台形の面積の求め方」などを盛りこむ素案について、大筋で了承したとのこと。これにより、前回の改訂で削減された内容が、他教科同様、算数・数学科でも復活する見通しとなった。
素案によると、小学校算数での台形の面積のほか、中学校数学では2次方程式の解の公式なども復活する。これらについては、学習指導要領からは削減されたが、小学校では2005年(中学校では2006年)から発展的な内容として多くの教科書で取り上げられていた。
先日、きょういくじん会議の「授業時間数増で、どうなる算数教育」で取り上げたように、算数・数学科についてはすでに時間増の方針も決まっている。前回の改訂で削減された内容を中心に全体的に学習内容も増えるが、一部の学習内容については、中学校から小学校へ、また高校から中学校へ移行することが今回提示された素案にも盛りこまれており、改訂ごとに度重なる移動に指導する現場での混乱も予想される。
2006年にBenesse教育研究開発センターが行った「第4回学習基本調査」
によると、現行の学習指導要領で学習した子どもの方がそれ以前と比べ、小・中・高ともに算数・数学好きが増えているとの結果も出ている。今回の改訂で主な検討項目の1つになっている「理数教育の充実」だが、単なる時間増、内容増だけで、本当の意味での充実につながるのかどうか。これから検討すべき課題も多くあると感じるが、今後の中教審の動きに注目したい。
- 算数に「台形面積」復活へ=次期学習指導要領案−中教審部会(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007091801125 - 「台形の面積」、小学校算数で復活へ 文科省が素案提示(朝日新聞)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200709180363.html - 台形面積の求め方、小5から算数で復活…中教審専門部会(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070918i115.htm - 中教審:「台形面積」小学校に復活 指導要領改定、専門部会が了承(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20070919ddm041100096000c.html
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。

現在のように2つの三角形に分解して求めるほうが頭を使って良いと思うのですが・・・。
せめて、ゆとり教育をきちんと検証して次へ活かすのが文科省の出来得る責任の取り方だと思いますが、ろくな検証もなしに世論に押される形でなし崩し的に方針転換してるようにしか見えません。説明責任も全く果たしていません。
このような役所は百害あって一利なし。指導要領はもう無くしてしまって地方に任せればいいのにと思います。