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携帯フィルタリングサービスに改善要請―総務相
kyoikujin
2008/5/1 掲載

 未成年の有害サイトへのアクセスを防止するフィルタリングサービスの在り方について検討を続けてきた「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」は4月25日、中間まとめを増田総務相に提出。増田総務相はこれを踏まえたフィルタリングサービスの改善を携帯電話・PHS事業者に要請した。

 改善の兆しが見えない未成年の出会い系サイトによる被害を食い止めるべく、増田総務大臣は昨年12月、携帯電話・PHS事業者に対しフィルタリングサービスの導入促進を要請した。これを受け、NTTドコモなど携帯電話・PHS事業者は、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスの導入促進に取り組んできた。その結果、社団法人電気通信事業者協会の発表によると、2008年3月末時点のフィルタリングサービス利用者数は2007年9月末からの半年間で133万件増えて342万件を超えた。

 しかし一方で、現状のフィルタリングサービスでは閲覧が制限される情報が広範で、健全なコンテンツビジネスの発展をも妨げる恐れがあることや、制限される情報が画一的で利用者側でアクセスしたい情報の範囲を指定することが出来ないなどの問題が指摘されており、検討会ではこれらの問題に対応しつつフィルタリングサービスの普及を促進することが課題となっていた。

 中間まとめでは、これらの課題の解決策として

  • 保護者の承認があれば未成年が利用できるサイトを個別に選択できる仕組みの導入
  • 未成年に対し有害なサイトか否かを民間の第三者機関が認定する仕組みの導入

などが提言された。

 携帯電話・PHS事業者4社(NTTドコモグループ、KDDIグループ、ソフトバンクモバイル、ウィルコム)は、この要請を踏まえフィルタリングサービスの改善及び普及促進を進めることを発表。18歳未満の既存契約者についても実施を予定していたフィルタリングサービスの適用は、サービス改善と周知徹底のため延期することを決めた。

 警察庁のデータによると、2007年の出会い系サイトに関係した事件の検挙件数は、2006年に比べて8.5%減の1,753人となったものの、18歳未満の被害者数は、ほぼ横ばいの水準となっている。また、出会い系サイトへのアクセス手段の96.8%が携帯電話経由であることもわかった。

 早急な対策が求められるが、フィルタリングの実行性を担保しつつ、いかに利用者の利便性を高めるか、また民間の第三者機関の客観性や透明性をいかに確保するかなど、これから解決すべき課題はまだまだ山積している。未成年保護を第一に業界全体を巻き込んだ取り組みは、まだ始まったばかりと言えそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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