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理系高学歴無業者問題について調査―国立教育研究所
kyoikujin
2008/5/12 掲載

 国立教育政策研究所は8日、「理系高学歴者のキャリア形成に関する実証的研究」を公表した。博士課程をおえた、いわゆるポストドクターの実態についてインタビュー調査やウェッブ調査を実施し、高学歴だがキャリアが安定しない問題を研究している。

 インタビュー調査は、ドクター2名、ポストドクター48名、スタッフ3名の計53名が対象。また、WEB調査は物理学専攻の研究者1,667名を対象としている。

 インタビュー調査からは、ポストドクター達が小さい頃から月の写真や、宇宙の図鑑などに関心をもち、早い段階で将来科学者になることを意識しはじめている実態がうかがえる。大学・大学院進学時にも、迷うことなく素粒子などの分野を専攻、その研究に対して惜しみなくエネルギーを注ぐことを厭わないタイプが多いようだ。

 この調査報告にも述べられているが、早い時期に自分の興味関心を見極め、それにむけて着実に努力し学歴を積み重ねるという多くの親が望むキャリア形成が、実は一方で、高学歴なのに定職につけないなどの問題を生んでいることは皮肉なことだ。背景には、研究職ポストの絶対数の減少、一般労働市場での博士号の汎用性の低さなどがある。こういった調査報告が有効に活用され、優秀な研究者たちの能力を社会に還元できる仕組みが作られることを願いたい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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