教育ニュース
文科省の報道発表から研究会参加ルポまで、知っておきたい色々なジャンルの教育情報&ニュースが読めます。
児童の4人に1人が4時間以上テレビ視聴―文科省調査
kyoikujin
2008/9/1 掲載
byd:sign 22型デジタルハイビジョン液晶テレビ LW-

 8月29日公表された平成20年度全国学力・学習状況調査の結果では、学力テストと同時に行われた生活習慣や学習環境に関する質問紙調査の結果が公表された。
 公表された資料によると、朝食を食べる習慣が増加傾向にある一方で、携帯電話の使用やテレビやビデオ・DVDの視聴時間が増加しており、子どもたちの生活が心配される結果となった。

 この調査は、学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面等に関して調査したもので、平成13年度と15年度に行った「教育課程実施状況調査」や前回(平成19年度)との比較や、正答率との関連についても分析がなされている。

朝食を毎日食べる児童生徒は若干増加

 基本的生活習慣として大切な朝食だが、今回の調査結果では、朝食を毎日食べる児童生徒の割合は、小学校は87.1%(昨年度86.3%)、中学校は81.2%(昨年度80.6%)と若干の増加傾向がうかがえる。
 これを平成13年度と比較すると、小中学校ともに10ポイント程度増えており、近年の「食育」などの取り組みが一定の成果をあげてきているといえそうだ。

増える携帯の利用

 携帯電話で通話やメールをほぼ毎日している児童生徒の割合は、小学生が11.6%、中学生が35.8%。19年度と比べやや高くなっている。一方で、携帯電話を持っていない児童生徒の割合は、小学生が68.1%、中学生が37.3%と19年度と比べやや低くなっている。

テレビやビデオ・DVDの視聴時間も増加

 テレビやビデオ・DVDの視聴時間については、3時間以上視聴する生徒児童が、19年度と比べ高くなっている。
 中でも小学生の視聴時間が長い。「4時間以上」と答えた児童が最も多く24.0%(昨年度16.7%)もおり、3時間以上視聴している児童は全体の45.8%(昨年度34.0%)という結果になった。
 中学生では小学生よりもやや少なく、最も多かったのは「2時間以上3時間より少ないという回答で27.1%(昨年度27.5%)だったものの、3時間以上視聴している生徒は全体の38.3%(昨年度32.4%)だった。
 学力テストの結果との関連では、テレビやビデオ・DVDを見たり、聞いたりする時間が短い児童生徒、テレビゲームをする時間が短い児童生徒の方が、正答率が高い傾向が見られた。

学習時間は変わらず

 メールやテレビに時間をとられ、学習時間が減っているのではと思われるがそうとはいえない。
 1日当たりの児童生徒の学習時間は、19年度と比べ大きな変化は見られなかった。
 小学校では、「1時間以上、2時間より少ない」が一番多く30.5%。次いで「30分以上1時間より少ない」が26.2%という結果だった。中学校では、「1時間以上、2時間より少ない」が一番多く29.7%、「2時間以上、3時間より少ない」が25.5%となっている。
 平成13年度と比較してみると、「1時間以上勉強している」子どもの割合は小学生で37.9%から56.4%、中学生では51.3%から65.5%と増えている。

 こうなると気になるのが子どもたちの睡眠時間であるが、今回の調査結果では、生徒児童ともに19年度と比べ睡眠時間に大きな変化はみられなかった。
 しかし、小学生の約2割が午後11時以降、中学生で約3割が午前0時以降と就寝時間が遅めである。育ち盛りの子どもたちにとって必要な睡眠時間や家族とのコミュニケーションが十分にとれているのか気がかりな結果といえよう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの受付は終了しました。