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全国学力テスト―各地で結果開示要請の動き
kyoikujin
2008/9/9 掲載

 秋田県の寺田典城知事は8日の記者会見において、全国学力テストの成績を県内市町村の教育委員会が自ら公表しない場合、知事の責任において県が代わりに公表する可能性を示唆したと各紙が報じた。寺田知事は昨年も市町村教委に公表を要請したが、公表した市町村はなかった。今年も要請に応ずる動きがなければ、昨年度の結果とあわせて公表する意向とのことだ。

 全国学力テストの結果開示をめぐっては、2年連続で低迷した大阪府の橋下知事も公開を主張しており、7日には地元ラジオ局の公開生放送中に「くそ教育委員会が発表しないと言っている」と発言して物議を醸したばかり。橋下知事は不適切な表現については今後使わないとしながらも、市町村教委に公開を求めていく姿勢には変わりがないとしている。

 また、鳥取県では8月、県の情報公開審議会が昨年度の結果を開示するよう県教委に答申し、県教育長も開示の方針を示したことで、県教委の対応に全国的な注目が集まったが、市町村教委の激しい反発を受けて、最終的には非公開という結果になっていた。

 開示を要求する背景には、約58億円という巨額な予算をかけて集計されたデータを活かしきれていないのではないかという根強い疑問がある。各教委は結果を開示・非開示のいずれにしたとしても、集計結果の活用法についての説明責任は免れない。全国学力テストのあり方そのものが問われている中で、集計結果をどのように活かして学力を向上させていくのか、その具体策を保護者や地域住民の納得が得られるまで説明していく努力は、今後ますます求められていくのは間違いないだろう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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