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政府緊急経済対策に幼保一元化の推進を明記
kyoikujin
2009/12/10 掲載

 政府が8日、閣議決定した緊急経済対策(PDF)に、幼保一体化(一元化)を含めた制度改革が盛り込まれた。2010年前半を目途に基本的な方向を固め、2011年通常国会までに所要の法案を提出するとのことだ。

 政府は2006年より、保育所等に入れない待機児童を解消するために、厚労省所管の保育所と文科省所管の幼稚園の機能をあわせ持つ「認定子ども園」の設置を推進してきた。設置数は2007年度の229か所から、2008年度は358か所に増加したものの、政府の検討会が目標とする2011年度で2000か所以上には程遠い。背景には、厚労省と文科省の縦割り行政による手続きの煩雑さなどが指摘されている。こうした状況に対し緊急経済対策では、「制度・規制改革プロジェクト(仮称)」として、保育分野の制度・規制改革を推進することが明記され、「国民の潜在力の発揮による景気回復」を目指す。

 内閣府が5日付で発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」では、結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はないと考える人が、20〜30代で約6割に達した。こうした実態を、女性が社会進出することによって、子どもを持つことにこだわらない価値観が定着しつつあると捉えることもできるのだが、そのようなある種前向きな理由よりも、前述した待機児童の解消や、景気低迷による雇用の不安、いわゆる“育休切り”などの諸問題が、子どもを持つことへの負担感を高めている実情の表れと言えそうだ。

 今回の経済対策では、法案提出などの具体的な年限を定めたことで一定の前進が見られるが、制度が整備されて実際に保育施設を利用できるのがさらに先のこととなっては、長引く不況や少子化への対策として十分とは言えないだろう。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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