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「子ども手当て」、申請スタート―市町村窓口で混乱
kyoikujin
2010/4/26 掲載

 民主党の目玉政策の1つである「子ども手当て」の支給を6月に控え、各地で申請がスタートしている。受給対象者などから期待される一方で、政策立案の性急さや支給までの準備期間の短さに批判の声も多かったこの政策、支給等の事務を行う市区町村窓口では、早くも混乱が起きているようだ。

 24日の毎日新聞の記事などによると、兵庫県尼崎市に住む韓国人男性が養子縁組したという554人分の子ども手当の申請に訪れたという。「支給対象にならない」と判断され、厚生労働省の判断により申請は受理されなかったものの、仮に申請が通れば約8600万円(年間)がこの男性に支給されることになる。

 こうした問題は法案成立前から指摘されており、厚生労働省は、「平成22年度における子ども手当の支給に関する法律における外国人に係る事務の取扱いについて」のポイント(PDF)に示すように「児童手当」よりも支給の条件を以下のように厳しくした。

  • 少なくとも年2回以上子どもと面会が行われていること(これまでは、文通等でも可)
  • 生活費、学資金等の送金が概ね4か月に1度は継続的に行われていること(現金送金に限定、頻度を明記など、これまでよりも厳格化)
  • 来日前は親と子どもが同居していたことを居住証明書等により確認すること(これまでは、未確認)

 さらに、手当の受給のみを目的として監護や生計関係の実質を備えないと疑われる事案については厳正に対応することとしているが、人数の上限は明確に定めておらず、判断に困るケースも予想される。

 法案成立から支給までの準備期間の短さから、混乱を招いてしまったケースもある。23日の北海道新聞の記事によると、釧路市などで申請に不要な年金などの記号・番号の記入欄を設けて発送した。また、24日の毎日新聞の記事によると三田市では、認定請求書の難解用語についての問い合わせが殺到した。認定請求書は、厚生労働省が示した様式案を元に作成したものだが、行政用語の説明を補足する配慮が欠けていたためとみている。

 支給開始まであと1か月余り。「子ども手当て」の混乱はしばらく続きそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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