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スタートの早い子どもは低学年から、といわれている塾通い。見事難関を突破し、「春」がやってきた子どもたちも多いだろう。
首都圏・関西ともに以前は私立中心だった受験者数は全体に減少傾向にあるが、首都圏では17ある公立中高一貫校のほとんどが志願者を増やしているそうだ。
公立中高一貫校が人気!
以前の記事でもご紹介したように、公立中高一貫校は開校が相次ぎ、景気回復の兆しがなかなか見えない中、割安感もあって年々人気が上昇している。
13日の毎日新聞の記事によると、特に、昨春開校した東京都立富士高等学校附属中学校は120人の定員に対し、前年より176人多い641人が志願した。競争率も3・9倍から5.3倍となったという。
同校の特色ある教育として知られているものにはユニークなものも多い。
- 毎朝1分間の瞑想
- 毎朝5分間の書写
- リーダーシップセミナー
- 多読による英語読解力育成 など
公立中高一貫校の入学者選抜は?
なお、公立中高一貫校は、学校教育法の細則で入学試験を実施することは認められていないため、小学校での学習状況報告と併せて、「適性検査」や作文を行って入学者を選抜することが多い。「適性検査」は、各教科の学力をダイレクトに測るようなものではなく、思考力・判断力・表現力等を総合的に問う難易度の高いものが多いようだ。
先に紹介した富士高等学校附属中学校では、適性検査T・Uを実施。HP上で公開されている22年度の適性検査問題には次のようなものがあった。
次の文(山本貴光・吉川浩満「問題がモンダイなのだ」)を読み、あとの問題に答えなさい。
(問題2)筆者の主張をふまえた上で、あなたが出会った問題が、解決も解消もできないように思えるときどうしますか。具体例を一つ挙げ、あなたの考えを、四百五十字以上五百字以内で書きなさい。
この問題が「入学試験」とは言えず「適性検査」である、かどうかは別として、このような形式の問題はどこかで見たことがないだろうか。そう、PISA調査の読解力問題や、PISAに準拠しているという言語力検定の問題に大変よく似ているのだ。
最近では、公立中高一貫校人気にあやかってか、「適性検査」に似た問題を私立中でも取り入れる学校が出てきているという。こうなってくると、中学受験のための勉強も少しずつ変わっていかざるをえないだろう。このような状況も手伝って、日本人が苦手といわれてきたPISA型の学力も伸びていくのかもしれない。
最後に…
いつの世も保護者を悩ませる受験。見事合格する子もいれば、挫折を味わう子もいる。つまずいた子に大人はどう接したらよいのか。志望度の低い学校でも、地元の公立一般中学校でも、入学が決まった学校へ進むことを心の底から応援してあげたい。
勉強も大事だけど、もっともっと大切なことが君の人生には山ほどあるんだよ、光輝く君の未来に乾杯! と言って、暖かく笑顔で送り出したいものである。
