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現代っ子は「計画的」!? 夏休みの宿題と「アクティブ・ラーニング」
教育zine編集部
2015/7/19 掲載
お父さんが教える 自由研究の書きかた

 いよいよ夏休み。楽しい行事に追われ、気が付けば8月31日…「どうしよう、宿題が終わらない!!」―こんな状況に身に覚えのある方もいらっしゃるかもしれませんが、最近では珍しい光景なのかもしれません。少し古いデータですが、2009年のベネッセ教育開発センター調査によると小学生の4割以上が夏休みの宿題を計画的に行い、最後にまとめて行うのは1割だそうです。また、子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」の2014年度調査でも、比率は多少異なりますが、やはり「最後にまとめてやる」子は少数派な様子。最近の子どもは、総合的な学習の時間などで、計画的な学習や調べ学習に慣れているのかもしれませんね。

■ 苦い思い出、自由研究

 一方、大人はというと、前述の調査では「最終日ギリギリまでかかった」という人が4割程度もおり、最後まで苦しんだ思い出が多いようです。中でも苦しめられた代表格といえば圧倒的に自由研究のよう。「自由研究が終わらず親に助けを求めたら、一人でやったとは思えない壮大な研究になってしまった」「残り一日なのに複雑な模型を作ろうとして泣きながら徹夜」等など、苦い思い出がある方も多いのでは?

■ 難しい「親の関わり方」

 今の大人より計画的とはいえ、子どもの宿題にどこまで関わるかは保護者の方にとっても悩みどころなのではないでしょうか。前述の調査結果では、子どもの宿題への協力として、「『宿題をしなさい』と声をかけた」(70.0%)、「ドリルのまるつけ」(52.7%)、次いで「図書館や博物館に連れて行った」(30.4%)となっています。だらだらしてしまいがちな夏休みだからこそ、保護者の方の声かけはペースメーカーとしての大きな役割を果たします。ただし厳しく言いすぎてしまうと、逆にやる気を阻害してしまうこともあるため難しいところです。

■ 宿題をきっかけに「アクティブ・ラーニング」

挿絵1 宿題を早く終わらせることももちろん重要ですが、せっかくの夏休み、宿題を生かして子どもの興味を広げる機会にしてみてはいかがでしょうか。大人も苦しんだ自由研究は、テーマを決めるためにと言って特別な場所に連れて行かなくとも、日常の中にテーマの種は転がっています。子どもの好きなスポーツやテレビ、はたまた日常での手伝いなど、子どもが関心を持っているものを共有しながら、うまく子どもの「なぜ?」を引き出せるような声かけをしたいものです。

 ところで、2016年度に全面改訂される新学習指導要領の目玉のひとつには、新しい時代に必要となる資質・能力の育成を図る事を目的とした「アクティブ・ラーニング」の導入があります。「アクティブ・ラーニング」とは、ざっくり言うと「自ら課題を見つけ、解決に向けて探究し、成果を表現するまでの過程を、学ぶ側が主体的に行う学習方法」のこと。自由研究は、まさにこの「アクティブ・ラーニング」そのものではないでしょうか?

 新しい時代を生き抜く子どもたちにとって、夏休みは大きな成長の機会。宿題をきっかけに、子どもの興味・やる気をうまく引き出して「アクティブ・ラーニング」を実践できる夏休みにしたいですね。

※この記事は2010年7月に掲載された内容を再編集・加筆・改題したものです。

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